1日付で女子プロレス「シードリング」に入団し、3月7日の東京・後楽園ホール大会で約1年ぶりに現役復帰することを表明した世IV虎改め世志琥(よしこ=22)が、本紙のインタビューに応じ、思いの丈を激白した。これまで沈黙を守り続けていた1年前のあの試合の“真相”をついに告白。注目を集める“乙女”の本心とは――。
――11日にミャンマーで会見を開き、現役復帰を発表した
世志琥:第2のプロレス人生が始まったんだなって思います。世間に発表したらもう後には引けないですからね。
――12日のチャリティープロレス大会(ヤンゴン市Thein Phyu競技場)ではセコンド業をこなした
世志琥:試合をやりたいって一番感じました。自分は(下働きを)吹っ飛ばしてきた部分があったんです。(スターダムの)1期生で、すぐ下も入ってきたし。今は自分が一番下で、こうしてできるのは貴重。ミャンマーに行って良かった。
――反響も大きい
世志琥:賛否両論あるのは分かっていたことだし、何を言われようが想定内のことです。全部が全部気にならないわけではないですけど、気にするところと分けていかないとキリがない。
――メンタルが強い…
世志琥:さすがに(昨年)2月22日の後に来たメールの数を考えると「ワー」となりました。このメールを送っている人がみんな会場に来たら、結構でかい会場いけるんじゃない? みんな来てよと思うぐらいだった。
――昨年2月22日といえば安川惡斗(あくと=29)との試合(スターダム後楽園大会)が“凄惨マッチ”になった。試合後はどんなことを考えていたのか
世志琥:何も。終わった時点で辞めようって考えて、その後どうしようとかは一切(考えなかった)。とりあえずこの状況を何とかしたいって思っていました。
――冷静でいられた?
世志琥:試合中はずっと冷静でしたよ。全部覚えていますし。自分は普通にプロレスをやりたかったんです。何だろう…、何でああなったのかは分からないです。
――なぜ
世志琥:自分は(ワールド・オブ・スターダムの)チャンピオンだったし、興行のメーン。いままであんな試合、一回もしたことない。自分はやられたらやり返すしかないので、それをやったらああいう試合になったんじゃないですかね。
――勝ちたい気持ちだけだった
世志琥:そのために練習しているんだし。自分は練習してないやつとかに負けたくないんです。練習してる、してないの差もあったと思う。ただ、プロとしてケガをさせてしまったのは悪いと思うし、反省しないといけない点もあって相手には謝りました。
――安川はあの試合で負った目の負傷を理由に昨年12月に引退した
世志琥:理由は知らなかったけど、自分と対戦する前から引退するって知っていたから、試合が決まった時に「これが最後のシングルマッチ」だと思っていました。
――え? そうだったんですか…
世志琥:いついつ引退する、と聞いていました。最後の最後までああいうふう(世志琥戦が原因で引退する)に言われたから余計に「え? なにその理由?」ってビックリした部分はありました。でもそれが本当のことです。
――もうすぐ1年だ
世志琥:濃かったです。プロレスから心が離れて、また戻って…。改めてプロレスの偉大さといいますか、あんなことがあっても戻りたいと思うくらいプロレスが好きな自分に気づいた1年でした。
――復帰戦は高橋奈七永(37)と一騎打ちする
世志琥:待ち遠しいです。自分のことをいろいろ言うのはいいですけど、1回でいいからまず自分の試合を見てほしい。そうしたらきっと何か変わってくれるんじゃないかと思う。そういう人たちの気持ちを変えたいと思ってやってる部分もあります。
【引退→復帰への経緯】昨年2月22日に後楽園で行われた安川との試合が“凄惨マッチ”になり、世志琥は安川の顔面を破壊。この試合は世間的な注目も集め、スターダムから無期限の出場停止処分を科された。
この騒動により5月31日付で現役を引退することが発表された。だが、6月14日の引退セレモニー(後楽園)では最中に慰留され、10カウントを聞くことなくリングを後にした。その後は11月25日のシードリング後楽園大会を極秘観戦すると、リングへの思いが再燃。1月11日の後楽園では高橋の試合に“乱入”してセコンドに就くと、本紙に復帰への思いを口にした。一方で古巣のスターダムやセンダイガールズの里村明衣子(36)らからは疑問の声も出ていた。
また、ミャンマーで復帰会見を行いセコンド業を行わせたことについて高橋は「いままでの彼女には泥くさいものが見えなかった部分もあったので、未開の地でプロレスが始まる機会に立ち会わせ、一からプロレスに取り組むことをやってもらいたかった」と説明した。
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