黒田・ドラギ両総裁は少数派-マイナス金利効果、まだ信じているとは
2016/02/19 19:47 JST
(ブルームバーグ):日本銀行の黒田東彦総裁と欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁はエコノミストとしては恐らく少数派だ。マイナス金利が良いアイデアだとまだ信じているらしい。
日銀は先月、超過準備に金利を課すことを決定。1年半遅れでECBに追随した。これで世界経済の4分の1がマイナス金利圏ということになる。
ブルームバーグがまとめた調査では、マイナス金利が日本のインフレ率を黒田総裁の目標水準に押し上げるのに役立つと考えるエコノミストはわずか27%だった。ユーロ圏で同政策が奏功しているとの回答も42%と半分以下。物価を上昇させる一つの経路である自国通貨安にはマイナス金利が有効であることが示されたが、その持続性には疑問符が付く。また、マイナス金利が意図せぬ結果を引き起こす可能性を指摘する声も強まっている。
デカバンクのシニアエコノミスト、クリスチャン・トートマン氏は「マイナス金利を採用する中銀が増えているために、この政策手段の効果は弱まっている」と指摘。「これらの通貨がそろって下落することは不可能だからだ。その結果、過度のマイナス金利となり有害な副作用が出る可能性がある」と話した。
63人のエコノミストを対象とした調査では、マイナス金利は経済規模の比較的小さい国が投機的な資金流入から自国を防衛する戦略としてのみ適切だとの見方が示された。
デンマークとスイスについてはマイナス金利を評価する回答がそれぞれ90%と70%と高かった。両国とも自国通貨の上昇を抑えるためにマイナス金利を採用している。インフレ押し上げを目的に先週に金利をマイナス0.5%まで引き下げたスウェーデンについては、政策を支持するエコノミストは41%だった。
原題:Central Banks Embrace Negative Rates That Economists Scorn (1)(抜粋)
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更新日時: 2016/02/19 19:47 JST