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動画リワードのメディエーションは、なぜ配信割合を厳密にコントロールできないのか?

動画リワードのメディエーションについて、どのような動きになっているのか?

モバイルバナーのメディエーションと比較して、違いを正しく理解したい。

 

広告の運用をした経験がある人ほど、動画リワードのメディエーションの結果に対して疑問をもつかもしれない。

メディエーションなんだから、こうなるはずという思い込みがあって、柔軟な思考でしっかり理解できるまでには時間がかかる。

何度も混乱したので自分のためにも整理しておく。 

 

モバイルバナーのメディエーション

例えば、nend 50%、i-mobile30%、zucks20%の設定で配信したとする。

まず、SDKがどのアドネットワークを表示するのか、内部的なロジックでアドネットワーク1社を選定して、広告をリクエストする。モバイルバナー枠は在庫が豊富なので、ほぼ100%広告が返ってくるであろう。

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どのアドネットワークも広告を返却してくれるので、配信比率通りのインプレッション数になりやすい。リクエスト=インプレッションとなるだろう。

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動画リワードのメディエーション

配信割合がAppLovin(40%)、UnityAds(30%)、AdColony(20%)、Vungle(10%)と設定した場合、

メディエーションSDKは、全てのアドネットワークSDKを呼び出す(初期化)。各アドネットワークSDKはそれぞれのサーバに、ユーザ情報などを送って、広告をリクエストする。

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各アドネットワークのサーバが、フリクエンシーキャップや在庫をチェックして、広告を返却する。返却されて、いつでも再生可能な状態を一時保存しておく。

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重要なポイントは、ここではまだインプレッションは発生していない

 

ユーザがインセンティブを得るために、動画再生ボタンを押す。

一時保存されたアドネットワークの動画から、配信比率の高いアドネットワークが選択されて、ユーザは動画を視聴する。

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動画が再生されたタイミングで、初めてインプレッションが発生する。

 

 フリクエンシーキャップが厳しくかかるという経験をしたことがないと、

リクエスト=インプレッションでは無いという今までとは違う常識を、脳みそが受け付けてくれないかもしれない。

 

エンジニアやテスターは、動画リワードの実装段階でフリクエンシーキャップが強烈にかかるのを経験するので、インプレッションがかたよるのは理解しやすいが、ディレクター以上になってくると難しい。

 

極端な例かもしれないが、

フリクエンシーキャップがかかりやすい、AppLovin、AdColony、Vungleにフリクエンシーキャップがかかってしまい、UnityAdsしか広告が返却されなくなったらどうなるだろう?

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 インプレッション結果は、以下のようになってもおかしくない。

アドネットワークインプレッション
AppLovin(40%) 100
UnityAds(30%) 7,000
AdColony(20%) 100
Vungle(10%) 100

 

ここまで理解できれば、アドネットワークの配信割合を設定したとしても、あくまでも努力目標である、

 

ただし、誤解しないで欲しいのは配信割合を元にアドネットワークを選択するというロジックを要所要所で使っているので、配信割合を元にした自動調整が全く意味が無いということではない。

 

アドネットワークを呼び出す順番や、一時保存から取り出させれる際にも

評価順でアドネットワークが選択されています。

 

みなさまの理解が深まりますように。