韓国証券取引所は12日、新興企業向け株式市場コスダック指数が前日比で一時8%以上暴落したことを受け、取引停止措置「サーキットブレーカー」を発動した。サーキットブレーカーが発動されるのは、2011年8月に米国の信用格付が引き下げられて以来、4年半ぶりのことだ。取引停止措置はこれまでも2007年のサブプライム住宅ローン危機や08年のリーマン・ショックといった金融危機と共に起こっている。
今、世界のどこを見ても暗うつな様相ばかり呈している。中国の株式市場は昨年後半から振るわない。ヨーロッパでは2年間続いたマイナス金利で大手銀行の損失が急増、今年になって株価が20%下落した。マイナス金利の実験に同調した日本の株式市場は1週間で10%以上も下げた。持ちこたえていた米国の株式市場も原油安に加えて世界的な株安でこの2年間で最低水準になった。原油価格は石油輸出国機構(OPEC)が減産合意に失敗、13年ぶりの最低水準へと転落した。
韓国の金融市場は、外国人投資家が株や債券を売りやすく、資金を引き上げるのも自由だ。また、貿易依存度が高く、外国為替取引も頻繁だ。だから、金融危機のたびにまるで現金自動預払機(ATM)のような急激な資金流出に頭を痛めたりもした。さらに悪いことに「北朝鮮リスク」も高まっている。それでも韓国政府は「世界的な金融不安の国内への影響は限定的だ」という言葉を繰り返すばかりだ。
政策当局は、いつでも金融市場が危機に陥る可能性があるという前提の下、非常時のシナリオを用意しておかなければならない。慢性的な外国人投資家資金流出と、それに伴う金融不安に備え、証券市場や外国為替市場における投機的資金の動きを徹底的に監視すべきだ。そして各企業も現金確保に努力しなければならない。