ユニクロなどを展開するファーストリテイリングが、73人の日本の学生を対象に、海外5都市でインターンシップを始めた。シンガポール、上海、台北、メルボルン、ロンドンで18日から6日間、店舗運営の方法や現地の市場動向などを学び、競合店も視察する。

 企業が宿泊費や交通費を負担して海外に学生を大量に派遣するインターンのしくみは、珍しいという。仕事への関心を高めてもらい、海外展開を支える有能な人材の確保につなげる狙いがある。ただ、採用には直結していない。

 学生は、応募した約2400人から選ばれた。シンガポールでは、全国13大学から15人が参加する。ユニクロの店頭には立たないが、学生の目線から、店が抱える課題や新事業などの提案を考えてもらう。最終日の23日には、現地幹部に報告する予定にしている。

 参加した京都産業大3年の向坂なつみさん(21)は「英語ができないので、海外での就職は考えていなかったけど、現地の雰囲気を肌で感じて挑戦してみたくなった。将来の幅が広がった」と話していた。

 ファストリは海外展開を加速中で、主力のユニクロは昨年11月、海外の店舗数が国内を初めて上回った。(シンガポール=都留悦史)

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