吉田拓史、上遠野郷
2016年2月19日11時09分
大阪市のテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の運営会社が、沖縄進出計画の撤回を検討していることが明らかになり、地元沖縄では18日、「寝耳に水だ」と驚きが広がった。
「撤回検討」は18日朝、一部報道で流れ、沖縄県庁では職員らが情報収集に追われた。県は1月、運営会社の幹部が3月にも表敬に訪れるとの見通しを政府関係者から伝えられていたといい、安慶田光男副知事は取材に対し、「私も今朝、(撤回検討を報じる新聞を)見せられたばかり。まだ何も聞いていないし、分からない」と困惑した表情で語った。
USJの沖縄進出は、政府が強く後押ししてきた。沖縄県は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設計画をめぐり国と激しく対立しているが、県政野党の自民県議も「基地と振興は別の問題。いまさら撤退となれば失望は大きい」と話した。
一方、有力な進出予定地とされていた海洋博公園のある本部町観光協会の担当者は「何も情報がないので、一喜一憂はしていない」と話した。本部町のある沖縄本島北部の観光業者らの間では、宿泊や飲食などがパッケージでUSJに囲い込まれることを懸念する声も少なくなかった。このため、今回の報道にも冷静だという。(吉田拓史、上遠野郷)
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朝日新聞社会部
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