映画「トレーニング デイ」のあらすじ,ネタバレ,レビュー
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あらすじ
LA市警の刑事が念願の麻薬捜査課へ。男が就いたベテラン刑事がベガスで誤って殺してしまったのは大物ロシア人。勤務日初日に待ち受けていたベテラン刑事との死闘。この悪の限りを尽くす刑事はタダの悪徳刑事なのか?
「ザ・ハリケーン」でアカデミー主演男優賞を逃したデンゼル・ワシントンが皮肉にも!?悪役として受賞する事になるスリラー。
ストーリー・ネタバレ
ロサンゼルス市警のジェイク・ホイトは交通課から麻薬捜査課へ志願してやってきた新人刑事。妻と生まれて間もない娘を食わせるためにも世にのさばる悪党たちを逮捕して出世して、そして住みやすい世の中にするという理想に燃えていた。
麻薬捜査官としての勤務日初日。ジェイクはベテラン捜査官のアロンゾに就いて学ぶことになった。アフリカ系アメリカ人(A・A)の彼は、およそ刑事とは想像できない服装をして、また刑事と思えない口調でジェイクを迎えた。アロンゾの態度に戸惑うジェイクだったがこれが麻薬捜査課の現実なのだろうと理解しようとした。アロンゾの“素敵使用”の車に乗り込みパトロールに行くジェイク。アロンゾは若者から奪った麻薬をジェイクに勧めてきた。刑事としてそんなことは出来ないと断りつづけるが、“麻薬捜査課の人間として、麻薬を知っておくことは大事だ”というアロンゾの言葉に負けて吸ってしまうのだった。
ラリ気味のジェイクを連れてアロンゾは“友人”のロジャーのところへやってきた。ロジャーは一番のタレコミ屋なのだという。ひとしきり親しく会話をするアロンゾとロジャー。ジェイクは、アロンゾとロジャー2人は親友なのだと思う。
パトロールに出た先の車中でラリっているジェイクが見つけたのは乱暴されそうになる中学生レティーだった。アロンゾの運転を強引に遮り車を止めるとジェイクはレティーの元に走って襲っている2人の男を制しようとした。最初は劣勢だったジェイクだったが男たちをノシた…そこでそれを見ていたアロンゾが現れて乱暴してそして自由にしてしまった。ジェイクはレティーの落とした財布を拾うのであった。
次のパトロール先。囮捜査まがいで車イスの麻薬の売人ブルーを“引っかけ”ようとするも騙されずにブルーは逃げる。彼を捕まえたアロンゾは喉にペンを突っ込んで飲み込んでいたヤクを吐かせた。そして脅して“サンドマン”という男の話しを聞くとブルーをフリーにするアロンゾであった。
そしてアロンゾは家宅捜索と称してサンドマンの自宅を捜索し、夫人や子供がいるのを構わずに金品を奪って出て行った。そのことに疑問を抱き詰めよるジェイクだがとりあわないアロンゾ。
まだ真っ昼間なのに愛人サラの家にやってきたアロンゾ。ラテンアメリカ系の人たちが住むこの地域は警察内部でもかなり危険な地域だと言われていたのだ。身の危険を感じるジェイクを余所に立ちはだかる男たちを押しのけてサラの家に入ったアロンゾ、そしてアロンゾに付いていくジェイク。家の中にはサラと彼女の幼い息子がいた。その息子はアロンゾとの子供。アロンゾは妻との間に4人の息子がいるというのに…。アロンゾとサラが部屋に消えた後で残されたジェイクは子供と一緒に眠ってしまった。そのジェイクを起こしたアロンゾが次の向かった場所はロサンゼルスのお偉方が集まるレストランだった。
レストラン。ここでアロンゾを待っていたのは検事と2人の刑事であった。離れて様子をうかがうジェイクが分かったことは、どうもアロンゾが彼らと共に悪の限りを尽くしていると言うこと。そしてアロンゾは出かけたラスベガスでそれと分からず大物ロシア人を殺してしまい命を狙われているらしい。ただ今日中に大金を渡せば見逃してくれるとも…。
話が終わりレストランを出たアロンゾとジェイクは4人の刑事仲間を集めロジャーの家に行き、彼が麻薬を使って集めた400万ドルもの金を押収し一部…100万ドルを懐に入れ、また“事件”としてロジャーを始末するアロンゾ。そして口封じの為なのか仲間に引き入れて抜け出せなくさせる為なのか金を受け取るように迫るアロンゾや他の刑事たち。それを受け入れきれないジェイクはアロンゾに拳銃を向けるが倒すことはできなかった。
その後、アロンゾに連れられてある家を訪ねるがそこにはギャングがいた。ギャングたちに誘われてポーカーをするジェイク。その内にアロンゾは消えていた…。ギャングたちはアロンゾから金でジェイクの足止め、そして口封じを頼まれていた。アロンゾにはめられたジェイク。殺されそうになるジェイクを救ったのは数時間前にレイプから助けた中学生レティーの財布だった。これに目をつけたギャングたちの1人スマイリーが財布を見るとレティーは彼の従姉妹だったのだ。ジェイクは洗いざらいその事について話してスマイリーはレティーに電話をして裏をとった。そして恩に感じたスマイリーに逃がされるジェイクであった。
辺りは既に夜になっていた。怒ったジェイクは拳銃を手に持ちサラの家へとやってきた。警告する周りの連中なんて目に入らないジェイクは家に入ると子供を押し入れに隠して、サラと一緒にいるアロンゾに銃口を向けた!アロンゾはロシア人一派に渡す金勘定をしていたのだ。ジェイクはアロンゾの金を奪おうとするとアロンゾは反撃して撃ち合いになる!銃弾が飛び交う中に子供が出てきた!子供を助けようとするジェイク!ソンナコンナで2人の対決は家の外へ!ジェイクを伸して金を取り戻したアロンゾが車に乗って出かけようとしたところジェイクは捨て身で車の上に落ちてきて止めようとする!ジェイクを振り落とそうと強引に車を進めるアロンゾは傷害物にぶつかり脳振盪!
結末・ラスト
ジェイクは再びアロンゾから金を奪った。近所中の人たちが出てきて2人を見つめていた。アロンゾはジェイクを止めるように言うが日頃から横柄なアロンゾに手を貸す人たちなどおらず、逆に彼らのお陰でジェイクは金を持って無事にこの場所から立ち去るのであった…。
そして金もなく1人車を運転するアロンゾが赤信号で止まると数台の車に周りを囲まれて蜂の巣にされてしまった…。
ジェイクが“トレーニングデイ”を終えて家に帰り着いた時は日付が変わっていた…。
レビュー・感想・解説・評価
リンクについて
~~~(矢印と破下線のリンク)は、T's Theaterでレビューしている映画作品や紹介している俳優等、全て内部リンクです。
今年2016年で3度目の鑑賞!
ルーキー刑事の1日に起こる出来事をリアルと非リアルな描写で描いた犯罪ドラマ。そして2人の刑事それぞれに対する別モノのスリラー。
監督を務めるのは「イコライザー」や「ザ・シューター 極大射程」などのアントワーン・フークワ。
・主演の悪徳刑事には「グローリー」でアカデミー助演男優賞を受賞したデンゼル・ワシントン。ワシントンは「遠い夜明け」でアカデミー助演賞ノミネート、そして主演男優賞には「マルコムX」と「ザ・ハリケーン」でノミネートするが獲れなかった。それを悪役である今作で受賞して“しまった”のだ…。当時友人から聞いたのだが、おすぎさんが何をか言ったとか…!?なおワシントンの映画作品は少しはレビューしているので彼のページからドウゾ。
・新人刑事を演じるのはtoikunが大好きなイーサン・ホーク。ジュリー・デルピーと共演した1995年の「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)」は当時ラブストーリーが嫌いだったtoikunの心を打ち抜いてしまった!「ビフォア・サンセット」、「ビフォア・ミッドナイト」とシリーズ化されこの2作品ではアカデミー脚色賞にノミネートするホーク。リチャード・リンクレイターとの縁からか出演した「6才のボクが、大人になるまで。」ではアカデミー助演男優賞にノミネートする。大してレビュー作品は多くないが彼のページからドウゾ~☆
・麻薬王を演じたのは演技派スコット・グレン。「レッド・オクトーバーを追え!」ではアメリカの潜水艦艦長だった。「ボーン・アルティメイタム」ではCIA長官!他に「シルバラード」、「羊たちの沈黙」、「バック・ドラフト」、「目撃」など。
・ちょっと目立たなかったがレストランにいた検事を演じていたのは「プラトーン」のオスカーノミニー、トム・ベレンジャー。「7月4日に生まれて」をレビューしてる。彼の代表作なシリーズ「山猫は眠らない」は1は見たけどどれもレビューはしていない…。あぁ「メジャーリーグ」でのキャッチャー役もベレンジャーの語る上では外せないかな。
・ルーキー刑事を監禁しようとした口髭のギャングスターを演じたのは「ダイ・ハード4.0」でとても光っていたクリフ・カーティス。そんなカーティスは「ピアノ・レッスン」で目立たないがマオリ族を演じていた。
・レストランの警部を演じていたレイモンド・J・バリーはよく見る脇役だ。「7月4日に生まれて」、「デッドマン・ウォーキング」など。
・そ・し・て、前2回は気にも留めていなかった悪徳刑事の愛人(奥さんではないよね?)を演じていたのは官能的でプッシュしていきたいエヴァ・メンデス。「アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!」でとても目に付いちゃって、その後に見た女優オンリー映画「明日の私に着がえたら」でも可愛かった!今分かった、アネット・ベニングのシワが目立った理由が…エヴァが出演していて比べちゃったから…。でもメグ・ライアンは変わらず可愛かったけどね!
…以前のレビューをドウゾ。
デンゼル・ワシントンが初の悪役を演じるという事で話題となった。その彼が悪徳警官のアロンゾ・ハリスを演じ、「ザ・ハリケーン」で受賞出来なかったアカデミー主演男優賞を受賞した。またtoikun的には久しぶりの感があるイーサン・ホークが<ワシントンに振り回されるルーキー刑事を演じる。他にワシントンに無様に裏切られる麻薬王ロジャーにスコット・グレンが扮する。しっかし、しばらく見ない間にふけたなぁ。メイクか?
この映画、“デンゼル・ワシントンが悪役”という点において、とてもおもしろいものがある。と、言ってもワシントンの悪役を見る事ができておもしろいのではなく、ワシントンが悪役をしているということがおもしろいのである。巧く言葉で伝える事は難しいな…。
普段ワシントンの役と言えば正義感に燃えた人物、熱血漢である。そのイメージがあるものがこの作品を見たとき、“この映画のワシントンは悪役だよ”とどんなに聞かされていても、なにか違った思い、希望を抱いてしまうだろう。そこにこの映画のおもしろさがある。序盤から中盤までは、どんなにワシントンが悪事を働こうと、信念のためではないか?と思ってしまう。しかし、クライマックスでは本当の悪役だと理解する。
ストーリーとはまた別の領域(=ワシントンへの思い込み)が、この映画を格段におもしろくしている。想像してみて欲しい。アロンゾ刑事をバリバリの悪役俳優が演じているところを。toikunが言わんとしていることをご理解いただけると思う…。だが、この解釈はワシントンの事をあまり知らない人には分からないと思う。ぜひ、そういう方の感想を聞いてみたい。
蛇足として付け加えておきたいというか聞いてみたい。この映画でルーキー刑事=イーサン・ホークも違法行為を行っている。あなたはこれについてどう思うかを。
2001/07/06
2006/03/10
んで2016年鑑賞後チョットだけ付け加え。
麻薬王ロジャーを殺そうとする時にアロンゾがジェイクに迫ったけどアロンゾ=ワシントンの顔に影をつけた演出ってアレック・ボールドウィンのファンタジー映画「シャドー」を思い浮かべちゃった。全然ジャンルが違うのにね。アソコは違和感感じちゃったなぁ、あからさますぎ?
治安の悪い地域でかかっている音楽以外はとても静かにスリラー要素を醸し出していて“映えていた”。
そして“情けは人のためならず”って言葉があるけど、女子中学生を助けたのが巡り巡って返ってきたのは良かったよね!これって“ペイ・フォワード?”→→→「ペイ・フォワード 可能の王国」←←←toikunがとても好きな映画!
2016/02/20
by toikun.