死んだチーターを肩にのせたり、ライオンの死体の近くで薄気味悪い微笑みを見せているこの人物は、ブラッド・セヴァース氏というアメリカ人ビジネスマンです。
他にもゾウ、ヒョウ、カバ、アンテロープなど自分で殺害した動物の死体と一緒に写っている多くの写真が、セヴァース氏のフェイスブックにアップされています。
これらの写真は、当然のことながら多くの人たちからの激しい批判にさらされています。
【厳しい批判の的】
フェイスブック上でトロフィーハンティング反対を唱えているページ「Hunt the Trophy Hunters」(「トロフィーハンターたちをハントする」)では、セヴァース氏の写真をあえてシェアし、その残酷さを訴えています。
多く人たちからコメントも寄せられ、その厳しい言葉には彼らの激しい怒りがあらわになっています。
「彼自身がハントされ、撃たれてしかるべき犯罪者」
「この男は化け物」
「何がこの人たちをこんなことに駆り立ててしまうのか。こんな軽蔑すべき行動をどう表現していいか分からない」
「彼自身が同じようにされることを求めているはずだ。だから、俺がセヴァースの銃で彼を撃ってやろう」
「お前には審判の日が訪れる!」
「動物を殺すのはスポーツじゃない」
動物愛護団体「PETA」の担当者はこう語っています。
「9割を超えるアメリカ人たちは決して狩猟などをしませんし、野生動物に対する残虐な行為を嫌っています。野生動物たちは武器を持たず、他のものに不必要に害を与えたりしないのです。それにもかかわらず、世の中には銃を手にし、旗の陰に隠れて動物を狙おうとする人がどうしても存在するのです」
「品格のある人であれば暴力に関わったり、不必要な痛みや苦しみを引き起こしたりはしません。つまり、この人物の精神的・感情的な状態について疑問を持たずにはいられないのです」。
【キャリアの長いハンター】
セヴァース氏はイリノイ州在住で、すでに25年間にわたり野生動物のハンティングをしてきたことが分かっています。
とくにアフリカまで渡航して狩猟をすることを楽しんでいるようで、今までにゾウ、サイ、ライオン、ヒョウ、バッファロー、カバなどを殺害してきました。
2009年には、タンザニアでセヴァース氏本人がカバを殺害している様子がYouTubeに投稿されたことがあったといわれています。
このとき本人は、カバのほうから自分に向かってきたのでやむを得ず撃ち殺した、と述べていたそうです。
【動物を殺すことを楽しむ人たち】
この人物は、残念ながらトロフィーハンティングをやる人たちの一例にすぎません。
「キリンを殺した女」として知られることになったレベッカ・フランシスという女性がいました。
彼女は自分が殺害したキリンの横に、笑顔で寝そべって写真を撮影。その写真がネットで拡散され大きな非難の的となった人物です。
本人は「後悔はしていない」と語っていた、といわれています。
そしてこの後、ライオンのセシル殺害のニュースが世界を駆け巡りました。
ジンバブエで起きたこのトロフィーハンティングは2015年に最も多く語られた事件の一つとなり、「趣味で動物を殺す」ことに対する大きな議論を呼び起こすきっかけとなったのです。
アフリカ現地で野生動物の保護に携わる人は「トロフィーハンティングの背後にある汚れた真実について、私たちはみんな知っています。トロフィーハンティングというのは人のエゴや虚栄心から行われるものです。野生動物の保護のために役立つものではありません」と語っています。
(‘He’s a MONSTER’ Fury as wildlife hunter poses with slaughtered giraffe draped around NECK)