韓国人の学業能力、16歳は世界最高・55歳は世界最低レベル

20歳から低下、35歳からはOECD平均下回る
専門家「小中高校での詰め込み教育と低質な大学の増加が原因」

 これについて、研究者は二つの要因を挙げている。小中高校での暗記中心の詰め込み教育による学習意欲の低下と、国際的水準に満たない低質な大学の増加だ。ソウルのある名門大の工学部に通う学生(21)は「中学、高校でうんざりするほど勉強したため、大学に入ってからはもっと学びたいと思わなくなった」と語る。子どもに入試のための勉強をさせ「良い大学に入りさえすればよい」という考えを押し付けることも、学習意欲をそぐことにつながると研究者らは指摘している。

 1990年代後半以降、韓国で大学が急増したものの、質的な成長を遂げられなかったことを指摘する声も大きい。李周浩教授は「上位レベルの大学よりも、相対的に質の低い下位レベルの大学への進学が増え、大学が社会に必要な人材を育てられなかった」と説明する。

■「このままでは社会的に成長が鈍る恐れも」

 就職後はさらに大きな問題が生じる。25歳で労働市場に足を踏み入れた、能力が同水準の韓国人男性と日本、米国、英国、ドイツの男性を比較したところ、韓国の会社員は能力が相対的に低下し続け、35歳以降は比較対象国よりも低くなり、45歳以降は大きく水をあけられた。新しいことを学ぼうとする学習意欲、職場内の学習指標ともに、韓国は比較対象国のうち最下位だった。勤続10年の大企業次長(41)は「オンライン講座を申し込んだこともあるが、残業や飲み会でいつもきちんと受講できない」と語る。

 李教授は「学校での詰め込み教育、大学教育の質低下、就職後に能力を蓄積できないシステムのせいで、韓国人の能力は年を取るにつれて低下している。このままでは社会的に成長が鈍化しかねない」と指摘している。

アン・ソクペ記者 , パク・セミ記者
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