藤山圭、張守男 比留間陽介、宮野拓也、岡田玄
2016年2月19日20時17分
留学生に法定時間を超えるアルバイトをさせたとして、経営者らが起訴された福岡県直方市の日本語学校「JAPAN国際教育学院」で、学校側が留学生の印鑑を取り上げて保管していたことが分かった。県警は、アルバイト代から学費を確実に徴収する目的だった可能性があるとみている。
複数の留学生によると、アルバイト先の給与振り込み用に銀行口座を作ると、印鑑を学校側に取り上げられた。振り込まれた給与は、学校側がこの印鑑を使い「翌年度の授業料」の名目で毎月2万~6万円を勝手に引き出していたという。留学生たちは「お金は残らなかった」と語る。
同校は2年制で、学生は1年目の学費の全額を来日前に払う。捜査関係者によると、会長の上野末次被告(57)らは設立当初、留学生から2年目の学費を徴収できないことがあった。県警は、上野被告らが給料から学費を引き出す仕組みを考え出したとみている。
元学校職員の一人は学生から印鑑を取り上げていたことを認めた上で、目的について、学費の徴収のほか、「逃亡を防ぐ目的もあった」と語った。
同校職員は取材に「責任者がいないので答えられない」と回答。男性校長も「非常勤なので詳しいことはわからない」と話した。
全国の日本語学校でつくる一般財団法人の日本語教育振興協会(東京都渋谷区)によると、JAPAN国際教育学院は会員ではなかった。同協会の担当者は「銀行への登録印を学生から取り上げるなんて常識的にありえない」と話した。今後、研修などを通じ会員校に注意を促すという。(藤山圭、張守男)
■学校側「バイト二つ強要」
JAPAN国際教育学院の複数の留学生が、日々の暮らしを学校側に厳しく管理されていた実態を、朝日新聞の取材に明かした。
「日本に来てすぐ、学校で『二つアルバイトをしろ』と言われました」
残り:640文字/全文:1399文字
おすすめコンテンツ
PR比べてお得!