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 埼玉県川越市のアパートの一室で、この部屋に住む無職の夫(65)と妻(61)が死亡しているのが18日見つかった。様子を見に来た市職員が見つけ、警察に届けた。妻は足が不自由で、病身の夫が介護していたという。県警川越署によると、2人とも死後数週間たっており、署はほぼ同じ時期に病気などで順に死亡した可能性が高いとみて調べている。

 署や市によると、夫婦は2人暮らし。18日に「連絡が取れない」とアパートの大家から通報を受けた市職員が室内へ入ると、妻がベッドの上で、夫が隣に敷いた布団の中でそれぞれ仰向けで亡くなっていた。電気は止められていた。

 市生活福祉課によると、妻は糖尿病を患い、外出には車いすが必要だった。夫も高血圧で通院していた。夫婦は生活保護を受給しており、市のケースワーカーが定期的に訪ねていた。過去に職員が福祉施設への入所を勧めたが、2人とも拒んだこともあったという。

 最後に市職員が2人を確認したのは昨年12月24日で、夫が「自分が面倒をみる。2人でやっていく」と話したという。関係者は「なぜSOSが出せなかったのか。残念でならない」と話した。