南彰
2016年2月20日01時38分
衆院の議員定数が10削減される方向になり、新定数での衆院選は2017年以降に実施される見通しになった。安倍晋三首相が19日、定数削減を21年以降に先送りする自民党の案を撤回。15年の簡易国勢調査の結果に基づき、衆院議長の諮問機関の答申に沿って小選挙区で6、比例区で4の計10減する方針を示した。公明党、民主党も同調するとみられ、今国会に関連法案が提出される見通しだ。
首相は19日の衆院予算委員会で定数削減を先送りしないと表明。民主党の野田佳彦前首相の質問に、「党総裁として議論をまとめたい」と述べた。
定数削減については、当時の野田首相と自民党総裁の安倍氏が12年11月の党首討論の際、消費増税の自公民3党合意を受けた「身を切る改革」として実現することを約束。3党が13年の通常国会で実現させるとの合意書を交わし、衆院が解散された。だが、実現しないまま14年末にも衆院が解散され、その後も暗礁に乗り上げていた。
これまで、自民党は定数削減に後ろ向きだとして、野党や世論の批判が強かった。首相は、定数削減や「一票の格差」是正といった衆院選挙制度改革が間に合わなくても、解散権は縛られないとの見解を示しているが、定数削減にめどがつくことで批判がやわらぎ、夏の衆参同日選を含めて衆院を解散する環境がより整うとの見方もある。
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