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 長距離トラック輸送で、連続で16時間を超える運行が43%にのぼることが、国土交通省の調査で分かった。賃金の安さに加え、長時間労働が運転手不足に拍車をかけており、国交省と厚生労働省は、時短に向けた対策に乗り出す。

 両省がつくる有識者会議に示した。厚労省は、休憩時間を含む始業から終業までの時間(拘束時間)について、原則13時間以内、最大でも16時間以内とするルールを定めている。また、15時間を超える日は週2回までとしている。

 ただ、国交省が全国のトラック事業者と運転手について調べたところ、500キロ超の長距離トラックでの拘束時間は平均16時間43分だった。13時間超のケースは79%にのぼっている。

 運転時間以外にも、荷物の積み下ろし作業があったり、荷主の都合で待ち時間が生じたりすることが長時間化の原因という。500キロ以下の運行も含めた運転手の9%が、調査期間の1週間に一度も休日を取っていなかった。

 こうした労働環境の悪さと、通信販売の広がりによる輸送量の増加で、運転手不足が広がる。運送事業者の68%が運転手が「不足」していると答えた。国交省と厚労省は、労働時間を減らすために運送事業者間で中継して運ぶことができないかなどを検討している。(野口陽)