05:29 2016年02月20日
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杉山両次官

慰安婦問題の日本の態度は非論理的

© AFP 2016/ Byambasuren Byamba-Ochir
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日本外務省の杉山審議官は今週、国連女性差別撤廃委員会の対日審査に出席したなかで、慰安婦問題をめぐる日韓関係における日本政府の立場を説明した。杉山審議官は日本政府は第2次大戦中に日本軍ないし日本の行政が朝鮮人女性に売春を強要した証拠資料は見つけられなかったと発言している。

韓国外務省も再び、日本軍が東アジア、東南アジア諸国の女性たちを慰安婦に用いていたことは史実であると強調。日本に対し、慰安婦問題について昨年末に達成した合意の精神を損ねるような発言は控えるよう呼びかけた。

朝鮮史に詳しいロシア人歴史家のキム・ヨンウン氏について、二国の外務省の意見交換は日本側の尽力も歴史認識についての意見の食い違いをなだめることには成功しなかったとの見方を示し、次のように語っている。

「昨年末、日韓はこの問題を何とか解決することが出来たかに見えた。日本側は、遺憾に思うという内容の声明を表し、こうした女性らに賠償金を支払うための特別の政府基金に拠出までしている。だが日本政府はその代わりとして韓国側に対し、日韓の歴史の中のこの恥ずべき1ページについてこれ以上繰り返さないよう、また日本に圧力をかけるためにこれを用いないよう求めた。これに加えて日本側はソウルの日本大使館前に建てられた乙女の慰安婦記念碑の撤去を求めていた。」

これより前の日本政府は、慰安婦として働くか否かは女性に選択権があったと常に主張してきた。ところがキム・ヨンウン氏はこれについて、日本政府は未だに慰安婦の仕事が自発的なものであったことを示す書類証拠を公開していないと指摘し、さらに次のように語っている。

「日本は証拠資料はないと断言している。そうした発言の一端は正しい。なぜなら韓国には確かにそうしたものはないからだ。だがそれがないのはある、動かし難い理由からだ。それは女性らが慰安婦として働かされたのは韓国領内ではなく、中国その他の日本が侵略し、勝ち取った国におかれていたからなのだ。このため慰安婦に関する資料は中国にも日本にもある。だが日本側は明確な理由でこれを隠している。一方の中国では2年ほど前から公表しはじめた。そしてそれを見ると資料が上海、長春にあった日本の警察署の古文書からのものであることは疑いようもない。これらの資料を見ると、日本は女性らを騙して、慰安所に連行したことがわかる。」

慰安婦が強制連行によるものであることを示す、中国が公開した証拠を日本は確かに公式的には認めなかった。だがこれは論理的ではない。仮に日本がこれまでと同様、女性たちは日本帝国軍の慰安所に自発的にやってきたと考えているのであれば、なにに対して遺憾の意を表し、なぜ賠償金の支払に応じることがあったのであろうか。

 

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    <慰安婦業者に天皇の勲章>
     従軍慰安婦についても聞いてみた。「日本人女性は少なかった。朝鮮人と中国人の女性が大半だった」という。
     少ない日本人はプロの売春婦なのだろうか。彼によると、だいたい300人の日本兵に50人ほどの慰安婦が用意されていた。そうだとすると、南京大虐殺から始まった慰安所開設だったと言えるのかどうか。
     日本兵の行く所、慰安所開設は軍務そのものだったのだろう。海軍主計中尉の中曽根康弘は、自分で率先して開設、一時はそれを自慢話のようにしていたらしい。安倍は、中曽根に聞けば持論を変えるしかないだろう。
     歴史歪曲派は中曽根に教えを請えばいいだろう。

     慰安婦の業者には、天皇から勲章が与えられていた
     これは驚きである。勲章が授与される慰安婦業者というと、正に天皇制国家主義の、慰安所開設は主要な任務だったことになる。戦争の慰安所は、天皇の軍隊の重要な一翼を担っていたことになろう。
     「日本政府は関与していない」「軍隊は関与していない。証拠を見せろ」と開き直ってきた安倍らに、吉林省公文書館資料は明白にNOを突きつけている。
     日本国民は天皇の軍隊について、今も全く知らされてはいない。  (本澤二郎ブログ)

    ○ 中曽根もと総理が慰安婦開設  防衛省に戦時記録
    news.livedoor.com/article/detail/9198847
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