衆院予算委員会で安倍晋三首相(中央)の退席を止める維新の党の柿沢未途氏(左手前から2人目)=19日午後、国会・衆院第1委員室(撮影・斎藤良雄)【拡大】
安倍晋三首相は19日の衆院予算委員会で、トイレに行くために席から離れようをしたところ、野党側に阻止されたことから「トイレの時間も与えないのは前代未聞だ」と恨み節を漏らした。
騒動が起きたのは、維新の柿沢未途氏が日本版「最低生活保障」(ベーシックインカム)について提案した場面。首相はトイレのために席を立ったが、柿沢氏が「行ってもいいけれど(質問時間を計測する)時計を止めてください」と竹下亘委員長(自民党)に要求し、首相はいったん席に戻った。
その後、柿沢氏の質問が一区切りしたところで、竹下氏の指名を受けて麻生太郎副総理兼財務相が答弁に立つと、首相はすかさず席を外した。柿沢氏が首相答弁を求めているのに麻生氏が答弁する展開に、民主党の山井和則筆頭理事は「おかしい」などと竹下氏に詰め寄り抗議した。
しかし、麻生氏が山井氏に「座ったら?」と声を掛けて、そのまま質問に答えた。トイレから戻ってきた首相は答弁に立ち「軽減税率を前代未聞と言っていたが、トイレに行かせる時間を与えないのは前代未聞だ」と述べた。(産経新聞)