ハフィントンポストに掲載された寄稿記事のおかげで、なにやらすごそうな人たちからコンタクトをいただきました。

で、その一人が上杉周作さん。記事を読んだ感想をくださいました。
わたしはドイツで引きこもっていて、誰なのかわからない(すみません!)ので、調べてみました。

カーネギーメロン大学卒。Apple・Facebook・Palantirでエンジニア職、Quoraでデザイナー職を経験。その後半年間日本でニートになり、2012年9月よりシリコンバレーの教育ベンチャー・EdSurgeに就職。NHK・Eテレ「ニッポンのジレンマ 2016年元日SP」に出演。

なんぞこれ……! すっごい人やんか! ど、どうしよう……。
し、しかもニート仲間だ……。よかった、仲良くなれそう……。し、しかもイケメンだ、 よし、うれしい……。じゃなくて。

とても丁寧な言葉遣いで、物腰の柔らかい方なんだろうなぁと思いました。厚切りジェイソンさんがツイートしていることを教えてくださったのは、上杉さんです(笑)

で、その上杉さんのブログの「どうすれば日本は良くなるか」という質問に対する、わたしなりの答えという記事が気になったので、わたしも考えてみました。


まず、日本の問題ってなにさ


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長い記事なので、勝手にまとめさせてもらいましたー! 
「どうすれば日本は良くなるか」という質問なので、まず問題点を見つけなきゃダメですね。

日本の問題は「停滞」解決策は「人の移動」

わたしの認識では、日本のあらゆる問題は「停滞」という言葉で一括りにできる。日本では、停滞していない分野を見つけるのが難しいくらいだ。

かりに、停滞した分野Aがあるとしよう。Aが停滞しているのは、Aの内部から、停滞を解決できる人を輩出する仕組みが無いからである。ぎゃくに、その仕組みがあればAが停滞することはない。

よって、Aの停滞を解決するには、別の分野BからAに人が流れ込むしかない。

たとえばアメリカの例で言うと、音楽業界の停滞を変えたのはアップルをはじめとしたIT業界だ。映画「マネーボール」にもあるように、アメリカのスポーツ業界の停滞を変えたのは統計学者たちである。

Aがいかほど停滞していても、たいがいの場合、救世主になる分野Bは存在する。

そう、停滞分野Aの問題は、救世主分野Bが見つからないことではない。救世主分野Bから停滞分野Aに「人が移動しないこと」が問題なのである。


あ、頭が良すぎて内容入ってこないぜ上杉さん!
というわけで、理論的に文章を読み込めないわたしのような人のために、噛み砕いてみました。


将棋部部長、将棋太郎君は困っていました。部員が集まらないのです。
そのため、狭くて誇りっぽい空き教室のフローリングの上で指すしかなく、顧問は何の興味も示してくれません。

そのせいで部員たちのヤル気もなくなっていき、幽霊部員が増えていきます。残ってくれた部員も特にヤル気があるわけでもなく、ただ数人で集まってちょこちょこと将棋を指すだけになってしまいました。


これが、停滞している状態ですね!


で、将棋部に部員を集めるためのツテとか、こういう練習内容でいこう! みたいなノウハウがあれば、巻き返しのチャンスはまだあります。でも将棋太郎君の将棋部は、なーんにもない。だから、解決しない。

じゃあ将棋太郎君はどうするの? 廃部?

いえ、ここでもうひとつだけ希望があるのです。
それは、超強豪、学校の誇りである大人気の部、チェス部!!!!!


まぁゆーても同じボードゲームですし、ルールも似ているところがあるから、チェス部から誰かを引き抜くことができれば、将棋部も復活するかもしれない。

と思ってチェス部の人に声をかけてみるも、「はぁ? 将棋?」とつれない返事。そうです、誰も将棋部に来てくれないんです!

これが人が移動しなくて困る問題です。


って解釈でいいんですよね、上杉さん!?


で、停滞してるからどうすんのさ


では停滞して、人が移動しないことが問題だとして、どうすんの? って話。

「停滞分野から成長分野へ」のような議論のみに頼ると、成長分野だったはずの分野が停滞したときに「また別の成長分野へ」という焼畑式の答えしか出てこなくなる。

成長分野の数は限られているから、これは長続きしない。

そう、それ思ったんですよ。

チェス部のステータスが+5だとして、-5の将棋部を助けてたらお互いゼロになっちゃうんじゃない? と思ったわけです。部員は限られてるんだから。

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で、上杉さんは「人が移動しない問題」を解決するにはこういうやり方がいいんじゃないか、と述べています。

どんな文章にも、日本語・英語などの「言語と知られている言語」と、コンピューターサイエンス語などの「言語と知られていない言語」が混在している。

グレアム氏のエッセイにコンピューターサイエンスの用語が自然と出てくるのは、彼がコンピューターサイエンス語を話すからだ。
日本語が日本人をつなげているように、コンピューターサイエンス語はプログラマーの心をつなげている。

ああ、コンピューターサイエンスって何かよくわからないよぉ~!
というわけで再度かみ砕いてみました。


確かに、将棋とチェスが似てるから将棋でもいいっしょ? と思っていても、見向きもされなかった将棋太郎君。似たようなものでも、チェスを理解することと、将棋を理解することはちがうんですね。

将棋を指す人達には、将棋語があり、チェスにはチェス語という、専門的な言葉があるわけです。言葉がちがえば意思疎通はできない。



わたしは弓道部だったんですが、「アーチェリーと何がちがうの?」って聞かれることが多かったんですよ。
「はぁ? むしろどこが一緒に見えるんだよ、弓引いて矢飛ばす以外全部ちがうわ!」と答えていました。

弓道をする人には弓道の、アーチェリーをする人にはアーチェリーの「言語」があるんです。共通意識、と言い換えられるかもしれません。それぞれには基本的な土壌があって、それはみんなちがう形をしています。


だから急に弓道からアーチェリーへ、将棋からチェスへ、って言われても困るわけです。チェス部の人は、将棋のコミュニティに入っていないし、用語も知らないし、その用語で将棋をやっている人たちと会話することができません。

「飛車角落ちでいいよ? それとも詰め将棋にする?」と言われても、わからないわけです。

だから、移動しない。

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ってことで解決策はこれ! だそうです!

わたしは「どうやって救世主分野から停滞分野へ人を動かすのか」と質問を投げかけた。今ならその答えが出せるだろう。

そう、答えは「救世主分野の言葉を話し、停滞分野で働く人が、救世主分野の人に向けて発信すること」である。

強力な発信者がいれば、救世主分野から停滞分野に人が移動するようになり、停滞分野は成長分野に変わる。
グレアム氏の例で言えば、「コンピューターサイエンス語を話し、シリコンバレーの起業家コミュニティで有名なグレアム氏のような方が、プログラマーに向けて発信すること」が、Yコンビネーター、ひいてはシリコンバレーの成功の元となっている。

ああ、混乱してきた……!

つまり、将棋太郎もチェスを学ぶべきってことですね。で、チェス語を話せるようになる。チェスを理解したところで、チェス部の人たちに、「将棋部来てくれない?」と勧誘するわけです。


いままで、「は? 将棋? なにそれおいしいの?」と門前払いだった将棋太郎君だけど、チェスもばりばり強くなった彼は、一味ちがう。そう、彼はいまやチェス語を話すことができるのだ。

で、将棋太郎君はチェス部でも大会出ちゃったりして、みんなに「すげーやつだ」と思われる。その将棋太郎君が「将棋おもしろいよ? やらない?」とちょっと流し目なんかしちゃって誘います。

「こいつが言うんだから、もしかして、将棋もおもしろいのかも……!?」と思わせることができるというわけ。
で、チェス部から何人か将棋部へ移籍、めでたしめでたし。


……って理解であってますよね? ね?


技術者の意見はこうだ


確かにそうですね。専門知識がある方の意見はとても参考になります。

3つしか年が変わらないのに、こんなに鋭く自分の意見を根拠付けて言えるって素直にすごいと思います。素敵な方とコンタクト取れてうれすぃー。さらにイケメンだなんて素晴らすぃー。


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それから、3つの提案に続くんですね。

それぞれの停滞分野にとって、正しい救世主分野は何かは大いに議論されるべき

そりゃそうだ。スタートが間違えてれば意味がない。

わたしより年上の人(27歳以上)は、救世主分野の「言語」を喋れる若い人に気づき、抜擢してあげるべき

そう、これは大切。日本の年功序列どうにかなりませんかねぇ。

若い奴らなんて、好きにやらせればおっさんに代わってバリバリ働いてくれるのに。若者を上手く使えない年配の人は、自分が苦労するだけですよー?

わたしと同い年か、それより若い人(26歳以下)は、複数の「言語」を喋れるようになるべき

すっごいわかるんだけどね! でもこれは、日本じゃ難しいですよね! だって専門教育してないもん。

シリコンバレーの技術者! なんて専門家以外の何者でもありませんが、日本は「ひとつの分野に精通している人」より、「いろんな分野のある程度の知識がある」人の方が多いし、そう教育されますからね。


理想としては若い世代が育つことなんだと思いますが、わたしのように専門知識をたいして持っていない文系学生などで溢れている現状では、むずかしいですね。


専門知識のない人間の意見はこうだ


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で、ここからはわたしの意見です。長くなったなぁ……。

上杉さんのように、専門知識がある人たちは「停滞した分野に人が移動する」ことで「日本がよくなる」でしょう。


でも、日本で働いているうち、いわゆる複数の言語(株式の言葉だったり、エンジニアの言葉だったり)が話せる人って、そこまで多くないんじゃないかなぁと思います。もちろん詳しい分野はあるけど、専門家ってほどでもない人たち。そういう人が多いはず。

かくいうわたしもその一人です。

で、そういう人たちにとって「国をよくする」ってどういうことか考えてみました。


国を良くするためには、人間が必要です。人が減ったら国力が落ちるのはあたりまえですよね。
ってことは、少子高齢化を解決しなきゃいけない。

で、労働力として注目されているのが、女性。でも女性が働くと、子どもを産む人が減る。これは困る。

だから、労働環境を変えることが必要です。


男性も育児休暇を取るべきだし、取らせるべき。時短も自宅ワークももっと認められるべき。
男性に時間の余裕ができれば、子育てはぐっと楽になる。女性ももっと積極的に働ける。
もっと教育費を抑えられる仕組みになれば、経済的余裕もできる。

子どもを育てるためには、両親の時間の余裕、経済的な余裕が必要。


でもいまの労働環境じゃ、2人で子育てなんてできません。社畜なんて言葉があるうちは無理。 


だってさぁ? 子育てって日本、めっちゃお金かかるじゃん。だから女も働かないとしんどい。それなのに男性は家事を手伝う時間がないって……。つらすぎぃ!

男性だってめっちゃ忙しかったら、女や子供にお金や時間を使う余裕なくなりますよね。次世代を担う子どもを持つことにデメリットばっかり浮かぶ国ってダメだろ……。


労働環境改善→男性の時間が増える→共働きのストレスが減る(助け合える)→子育ても安心→ 子どもが増える、みたいな。


専門知識のある人として、上杉さんの意見はとっても説得力があります!
でもわたしは専門知識がなーんにもないので、「とりあえず諸悪の根源は労働環境じゃね?」と思ったわけです~。


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