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 パレスチナ自治政府のアビール・オウデ国民経済相が朝日新聞記者との会見に応じ、「若者らに希望を与えるため、経済を強化する必要がある」と日本の支援に高い期待を示した。今年から5年で輸出を65%増やす計画といい、「日本市場への販路拡大も目指す」と語った。農産加工品などが念頭にある。

 オウデ氏はパレスチナでは失業率が約25%に達し、若年層は特に高いとして「希望を失った人が過激化する恐れがある」と述べ、経済発展の重要性を訴えた。「政治問題の観光への影響を最小限にしたい」として、観光を発展の柱の一つにしたい考えも示した。

 イスラエルの占領下にあるヨルダン川西岸では、人の移動が制限されている。パレスチナ自治区ガザは壁や検問で境界を封鎖され「天井のない監獄」と呼ばれる。和平交渉の道筋が見えずに若者らは絶望感を深め、昨年10月以降、イスラエル側との衝突が相次ぐ。

 オウデ氏は今月14日に来日した自治政府のアッバス議長に同行。15日には西岸エリコの8世紀に建てられた宮殿遺跡の保護など、観光の促進に協力することで日本側と合意した。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)などが東京都内で開いたビジネスフォーラムにも出席。パレスチナでは占領の影響を受けにくいIT産業の成長が著しいといった報告もあり、日本の企業関係者ら約80人に連携強化や投資を呼びかけた。(ラマラ=渡辺丘)

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