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News Up “保活”への怒り その背景は2月19日 20時19分
2月は、子どもたちが、この春から認可保育園に入園できるかどうか、自治体から発表される時期です。子どもを保育園に預けられなかったという人のブログの書き込みをきっかけに、インターネット上には、子どもを保育園に入れるための活動=“保活”の実態を伝える声が多く寄せられています。保育を巡る現状は。
ネット上には怒りの投稿
「保育園落ちた日本死ね!!!」
2月15日に書き込まれたある投稿。
「昨日見事に保育園落ちたわ」
「どうすんだよ会社やめなくちゃならねーだろ」
子どもを保育園に預けられなかったことを過激なことばでつづった投稿に、ネット上には賛否の声が寄せられました。
2月15日に書き込まれたある投稿。
「昨日見事に保育園落ちたわ」
「どうすんだよ会社やめなくちゃならねーだろ」
子どもを保育園に預けられなかったことを過激なことばでつづった投稿に、ネット上には賛否の声が寄せられました。
依然深刻な「待機児童」問題
背景にあるのが、深刻な待機児童の問題です。厚生労働省によりますと、全国の待機児童の数は、去年4月1日の時点で2万3167人。5年ぶりに増加しました。
首都圏を中心とした園児の保護者でつくる「保育園を考える親の会」には、子どもを保育園に預けられないという人からの相談が、数多く寄せられています。代表の普光院亜紀さんは「共働きでないと経済的に苦しいという家庭が増えているほか、国の『全ての女性が輝く社会』ということばを受け止めて入園を申し込んだ人が増えたのではないか。保育園の入園状況は、去年よりも厳しい」と話します。
首都圏を中心とした園児の保護者でつくる「保育園を考える親の会」には、子どもを保育園に預けられないという人からの相談が、数多く寄せられています。代表の普光院亜紀さんは「共働きでないと経済的に苦しいという家庭が増えているほか、国の『全ての女性が輝く社会』ということばを受け止めて入園を申し込んだ人が増えたのではないか。保育園の入園状況は、去年よりも厳しい」と話します。
ネット上にあふれる“保活”情報
ネット上には、子どもを保育園に入れるために奔走する母親たちの声が数多く書き込まれています。
「審査の点数を積み増すために早めに育休を切り上げて認可外の保育園に預けた」。「点数が足りないといわれ、ベビーシッターに預けた」。なかには「いっそ偽装離婚したい」という声も。
書き込みの多くに共通して登場するのが、「点数」です。
「審査の点数を積み増すために早めに育休を切り上げて認可外の保育園に預けた」。「点数が足りないといわれ、ベビーシッターに預けた」。なかには「いっそ偽装離婚したい」という声も。
書き込みの多くに共通して登場するのが、「点数」です。
どう決まる?認可保育園への入園
「点数」とは。
多くの区市町村では、子どもを認可保育園に預けることができるかどうか、保護者の働き方や家庭の状況などを「点数化」し、判断しています。
例えば東京・渋谷区の場合、保護者が週5日以上、1日8時間以上働いていれば満点の20点。週5日以上、1日6時間以上8時間未満働いていれば18点。求職中で、まだ就労の内定がなければ2点です。
さらに、すでに子どもを認可外の保育園などに預けて働いていればプラス2点、子どもの面倒をみられる同居の親族がいる場合はマイナス2点などという細かい加減もあります。
こうして出した合計点の高いほうから「保育が必要な程度が高い」と判断されるのです。仮に点数が同じ場合は、ひとり親世帯である、父または母が単身赴任中であるなど状況を優先して保育の必要度が判断されます。
多くの区市町村では、子どもを認可保育園に預けることができるかどうか、保護者の働き方や家庭の状況などを「点数化」し、判断しています。
例えば東京・渋谷区の場合、保護者が週5日以上、1日8時間以上働いていれば満点の20点。週5日以上、1日6時間以上8時間未満働いていれば18点。求職中で、まだ就労の内定がなければ2点です。
さらに、すでに子どもを認可外の保育園などに預けて働いていればプラス2点、子どもの面倒をみられる同居の親族がいる場合はマイナス2点などという細かい加減もあります。
こうして出した合計点の高いほうから「保育が必要な程度が高い」と判断されるのです。仮に点数が同じ場合は、ひとり親世帯である、父または母が単身赴任中であるなど状況を優先して保育の必要度が判断されます。
「情報の真偽を確かめて」
まさに1点の差が、子どもを保育園に預けられるかどうかを決めるといっても過言ではありません。
このように“保活”が過熱する状況は、とくに待機児童が多い首都圏などで顕著です。“こうして保育園に入った”という情報がネット上にあふれ、保護者がほんろうされているのが実態だと「保育園を考える親の会」代表の普光院亜紀さんは指摘します。普光院さんは「保護者には、ネットの情報だけをうのみにせず、真偽を自治体の窓口に確認してほしい」と話しています。
このように“保活”が過熱する状況は、とくに待機児童が多い首都圏などで顕著です。“こうして保育園に入った”という情報がネット上にあふれ、保護者がほんろうされているのが実態だと「保育園を考える親の会」代表の普光院亜紀さんは指摘します。普光院さんは「保護者には、ネットの情報だけをうのみにせず、真偽を自治体の窓口に確認してほしい」と話しています。
保育環境の整備を
そもそも、この問題の背景にあるのは保育施設の不足です。
国は、平成29年度末までにおよそ23万人分の保育の受け入れ枠の増加を目指していますが、そのためには保育士がおよそ9万人も不足すると見込まれています。
誰もが安心して子どもを預け、働き続けることができるよう、根本的な保育環境の整備を求めたいと思います。
国は、平成29年度末までにおよそ23万人分の保育の受け入れ枠の増加を目指していますが、そのためには保育士がおよそ9万人も不足すると見込まれています。
誰もが安心して子どもを預け、働き続けることができるよう、根本的な保育環境の整備を求めたいと思います。