北朝鮮が核実験に続き、長距離ミサイルの発射も強行したことで、韓国では核武装論が浮上している。専門家は「韓国の核武装は技術や能力ではなく意志の問題だ。決心さえすれば1年半、長くても2年で核兵器開発を完了できる」と述べた。
■実験室でも再処理可能
核兵器を作るためには核分裂を起こすウラン、プルトニウムなどの原料を確保しなければならない。また、高性能爆弾を爆発させ、しかるべきタイミングで正確に連続核分裂を起こす起爆装置も必要だ。100万分の1秒単位の正確さが求められる。核分裂物質を安全に包む物質も重要だ。
中でも最重要なのは原料の確保だ。核爆弾は原料によってウラン弾とプルトニウム弾が存在する。現在韓国は韓米原子力協定、核不拡散条約(NPT)で原料確保が禁止されている。だからといって、原料を確保する条件と技術がないわけではない。韓国は原子力発電所24基(廃炉決定が出た古里原発1号機を含む)を稼働している。原発の稼働過程でプルトニウムが少量含まれる使用済み核燃料が生じる。特に重水炉方式の月城原発1-4号機では、軽水炉方式の他の原発に比べ、プルトニウムの含有量が高い使用済み核燃料棒が出る。プルトニウムの含有率は平均1%だ。2014年末現在、月城原発には7414トンの使用済み核燃料棒が保管されており、それを再処理することで理論上は74トンのプルトニウムが得られる。核爆弾1発には4キログラムのプルトニウムが必要なので、1万8500発の核爆弾に必要な量に相当する。
朝鮮大原子力工学科のキム・スンピョン教授は「使用済み核燃料棒からプルトニウムを抽出する方法には電気分解(乾式)、湿式再処理などさまざまな方式があるが、全て技術的には難しくない。大量生産施設を設けるには時間がかかるものの、実験室レベルでは今でも可能だ」と説明した。韓国では禁止されているが、日本は青森県六ヶ所村に再処理施設を持つ。使用済み核燃料棒からプルトニウムを分離し、原発の燃料として再使用するという論理だが、核兵器の原料生産に転用することも可能だ。
韓国は再処理のための新技術も保有している。ある原子力分野の教授は「電流を流して核燃料棒を再処理するパイロプロセッシングで韓国は世界的水準にある。パイロプロセッシングで使用済み核燃料棒に一次処理を施した後、従来の硝酸溶解法を用いれば、短時間でより多くの核兵器原料が得られる」と述べた。専門家は再処理施設を建設し、核兵器に使用するプルトニウムを得るまでには半年程度で済むと予測している。