成績上位の1兆円ファンド運用者、現金保有を高める安全策に依然満足
2016/02/19 15:34 JST
(ブルームバーグ):世界の株式市場が昨年変調をきたすかなり前に、90億ドル(約1兆円)のファンドを運用する豪マゼラン・ファイナンシャル・グループのヘイミッシュ・ダグラス最高経営責任者(CEO)は、さらなる安全策を取ることを決意した。現在になってもその決意を翻させる要因は全く見当たらない。
ダグラス氏の「マゼラン・グローバル・エクイティ・ファンド」の過去5年間の運用成績は99%の同種のファンドを上回っている。同氏は予想される株式市場の「厳しい逆風」に備えるため、昨年4月までに運用資産に占める現金の割合を約14%に引き上げた。同氏は2014年半ばから危険を感じ取っていた。同ファンドの現在の現金比率は約16%と09年以降の高水準に並ぶが、今のところ株式を購入する計画はないという。
ダグラス氏(47)は電話インタビューで「われわれは今の現金ポジションで待機することに満足している」と指摘。「今回の混乱が始まるかなり前に多くの対策を取っていた」と述べた。
マゼラン・グローバル・エクイティ・ファンドの過去1年間の成績はプラス0.4%と、90%の同種のファンドを上回っている。同期間にMSCIオールカントリー世界指数は13%下落している。同ファンドの過去5年間のリターンは1年当たりプラス17.8%と、99%の競合を上回った。
原題:Top Stock-Picker With $9 Billion Says He’s Still Happy in Cash(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:シドニー Adam Haigh ahaigh1@bloomberg.net
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更新日時: 2016/02/19 15:34 JST