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3月5日に小惑星が地球に最接近、人工衛星より内側に近づく可能性も

ナショナル ジオグラフィック日本版 2月19日(金)7時31分配信

太陽と重なり予測困難

 小惑星が地球に接近している。地球へ衝突することはまずないが、かなりスレスレのところを通過しそうだ。

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 NASAの発表によれば、小惑星2013 TX68は米国時間の3月5日に地球をフライバイ(接近通過)する。推定されている最接近時の距離は、静止軌道衛星の高度の約半分である1万7000キロから、月までの距離の35倍ほどの1400万キロと大きな幅がある。

 これはデータが十分にないためだ。2013 TX68が観測されたのは、米アリゾナ州で実施中の地球近傍天体観測プロジェクト「カタリナ・スカイサーベイ」が、2013年に初めて見つけた時の一度きり。当時、科学者たちはこの小惑星についてのデータをわずか3日間しか収集できなかった。3日後にTX68は太陽の前を通過したため、太陽の光に遮られて見えなくなってしまったのだ。

「軌道は計算できましたが、計算に使う基本的な値(具体的な運動の軌跡)に不確かな部分がありました」。プエルトリコにあるアレシボ天文台の小惑星科学者パトリック・テイラー氏は言う。以後、その予測は「わずかに修正された」という。

 2013 TX68は現在、太陽の方向から地球へ向かって来ている。太陽光に遮られて姿が見えないため、最接近時の距離を正確に予測するのは難しいという。

「フライバイの日には太陽の方向から外れるため、小惑星は急に明るくなって、どこかの観測プログラムがその姿を捉えてくれるでしょう。新たな観測結果が得られれば、その軌道はより明確となり、地球へどの程度接近したのかがはっきりすると思います」と、テイラー氏はみる。

 フライバイ以降は、望遠鏡でより長い時間観測し、どれくらいの速さで自転しているのか、大きさはどれくらいか、またどんな物質でできているかなども調べられるだろうと、テイラー氏は期待する。地球の軌道と交わる他の小惑星や彗星などの地球近傍天体についてもっとよく知るため、天文学者らは今回の観測結果に注目している。

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最終更新:2月19日(金)7時31分

ナショナル ジオグラフィック日本版

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