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宮崎・硫黄山 火口周辺400m立ち入り禁止に
2月19日 17時54分

宮崎県と鹿児島県にまたがる霧島連山のえびの高原の硫黄山について、地元の宮崎県えびの市は19日、火山ガスの濃度が高いとして、火口周辺のおよそ400メートル四方を「警戒区域」に設定し、立ち入りを禁止しました。
宮崎県によりますと、霧島連山の硫黄山周辺では、人体に有毒な硫化水素が高い濃度で測定されていて、空気より重いため、くぼ地や谷などの低い場所にたまりやすくなっています。このため地元のえびの市は、登山者の安全を確保することが必要だとして、火口周辺の東西およそ350メートル、南北およそ400メートルについて、災害対策基本法に基づく「警戒区域」に設定し、19日午後3時から、立ち入り禁止としました。許可なくこの区域に入った場合、罰金などの罰則が科されることになります。
一方、登山者に人気の高い霧島連山最高峰の韓国岳に通じる登山道は、規制されていないものの、およそ100メートルの区間が警戒区域に接しています。このため、えびの市は登山道から外れて警戒区域に立ち入らないようロープを張るとともに、登山道付近に看板を設置して注意を呼びかけています。
硫黄山周辺では、去年7月ごろから地下の熱水や火山ガスの動きを示すと考えられる火山性微動が時々発生し、去年12月には13年ぶりに噴気が出ていることが確認されたほか、衛星のデータの解析から、地面が最大4センチ隆起しているとみられることが分かっています。気象庁は、火山活動がやや高まっているとして、噴気や火山ガスなどの突発的噴出に注意するよう呼びかけています。

えびの市 立て看板を設置

硫黄山の火口周辺を「警戒区域」に設定した宮崎県えびの市は、立ち入り禁止を知らせる立て看板を設置して登山者に注意を呼びかけています。看板は、立ち入り禁止の警戒区域を取り囲むように、合わせて13か所に設置され、「硫黄山では人体に有害な硫化水素が発生しています。ここから先は立ち入り禁止です」などと、日本語のほか英語、中国語、韓国語でも注意を呼びかけています。
えびの市基地・防災対策課の川田伸一課長は「立ち入り禁止の区域外でも硫化水素のにおいを感じるなどした際にはすぐにその場所から離れるといった対応を取ってほしい」と話していました。

専門家「噴気が徐々に高くならないか注意」

霧島連山の火山活動に詳しい京都大学火山研究センターの鍵山恒臣教授は、硫黄山について「活動が高まっていることは間違いないが、今後噴気が徐々に高くなったり、土砂が吹き出したりしないか、注意する必要がある」と話しています。また、韓国岳に通じる登山道の一部が立ち入り禁止の警戒区域に接していることについて、「火山ガスの濃度が高い可能性があるので、この付近を通らないように、別のルートを作るべきだと思う」と話しています。

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