アップルが、2月上旬から話題になっていた iPhoneほかの「エラー53問題」について謝罪し、対策版の iOS 9.2.1 (build 13D20)をリリースしました。また実際にエラー53に遭遇してしまった時の対処手順も公開しています。
このエラー53問題が表面化したのは1月の末ごろ。主な発生状況は、アップルストアや提携している修理カウンター以外の第三者サービスなどで iPhone のホームボタンを交換したあと、アップデートや復元をしたときにTouch IDの整合性がとれずにエラー53が発生。その結果起動不能となり、いわゆる文鎮化するというものでした。
写真と内容の関連がよくわからないThe Guardianの記事
Touch ID の情報は iPhone 内の安全な領域に保存されており、起動プロセスの最中にこの領域の情報とデバイスの情報を突き合わせ、iPhone が安全かどうかをチェックしています。この情報はアップルでさえもアクセスはできないようになっているほど堅固ですが、結果としてTouch ID を交換してしまうと機器そのものが不正と判断され使用できなくなるわけです。
当時のアップルの説明では、Touch ID の情報は Apple Pay などで悪用されるおそれもあり、セキュリティ上の観点からそうなっているとのことでした。
今回のアップデートで提供されるのはiOS 9.2.1で、バージョンそのものはこれまでの最新版と変わりありません。ただ、ビルド番号はTouch IDの処理部分が更新された 13D20 に変わっています。
注意点は、現在手持ちのデバイス上で動作しているのが修正前のiOS 9.2.1(build 13D15)の場合、ワイヤレスアップデートができないこと。iTunes に iPhone を接続して、有線でアップデートを実行する必要があります。
もし、すでにエラー53が発生している場合は、アップルのサポート情報にある手順から復元を実行する必要があります。また、復元した後にふたたびエラー53が発生する場合は、Apple サポートに問い合わせる必要があるとのこと。
なお、アップルもしくは提携業者以外の第三者サービスで部品を交換している場合は、たとえ期間内であっても保証が無効になるのは言うまでもありません。今回公開されたアップルのサポート情報でも、そうした場合は本来の保証期間内であっても、保証対象外修理の価格体系となる点の告知で結ばれています。