【登場人物紹介】
医学の発達とともに入院期間は年々短期化しており、厚生労働省の「患者調査」(平成23年)によると、病気による入院日数の平均は32.8日とずいぶん短くなっています。
このため多くの医療保険で、1入院の入院日数が60日を限度に設定されています。
ただし、病気別に見てみると、平均を大きく上回る病気があるのも事実です。
また同調査によると、入院患者の66%は14日以内に退院しますが、17.5%の患者の入院は1か月(30日)以上に及び、4.7%が3か月(90日)以上入院しています。
生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」(平成25年度)によると、入院時の自己負担費用の平均は22.7万円ですが、これは短期入院も含めた総数についての平均です。入院時の自己負担費用が100万円以上に上ることが3.5%あるという結果も同調査は示しており、これは90日以上などの長期入院の場合であると考えられます。
高額療養費制度では、所得層により1か月当たりの医療費窓口負担額の上限が定められています。
これにより、年収が約770万円までなら、医療費は8万強の窓口負担で済みます。
生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」(平成25年度)によると1日当たりの平均入院費用は21,000円となります。ただし、これは短期入院患者を含めた平均なので、長期入院の場合は1日当たりの平均入院費用入院は実際には21,000円より少なくなるでしょう。
入院時には食事代・差額ベッド代の他に、交通費(見舞いに来る家族のものも)・衣類・日用品費などの負担が治療費とは別に発生します。これらをすべて含めた入院時の最終的な自己負担額が、高額療養費制度で減額された治療費と合算して、先ほど紹介した22.7万円(平均)や100万円以上(3.5%)となるのです。
長期入院に対応できる医療保険を3つ紹介します。なお、保険料は入院給付金日額5000円・終身払い・一生涯の保障・30歳男女を例として挙げています。
入院給付金日額5000円だと、3か月入院するとすれば入院給付金だけで5000円×90日=45万円となります。
100万円の保障を求めるなら、二口加入しましょう。不足分は、手術給付金などで調整可能です。
●オリックス生命「新キュア」
通常の入院については1入院の支払限度日数が60日のところ、特約を付けなくても三大疾病なら無制限、七大生活習慣病なら120日に支払限度日数が伸びます。それでいて保険料は男性1582円・女性1707円と非常に安価。長期入院になりやすい脳血管疾患の治療は手術を伴うことが多いので、1手術につき10万円の一時金給付によって入院給付金の不足分に対応できます。
●損保ジャパン日本興亜ひまわり生命「新健康のお守り」
三大疾病に特化した医療保険です。通常の入院については通算支払限度日数が1000日ですが、三大疾病では通算支払限度日数が無制限になります。保険料は男性1692円・女性1702円。(新キュアのように三大疾病で支払限度日数を無制限にするには、別途特約の付加が必要なので値上がりします。)
また、三大疾病による1入院につき一時金が50万円支払われる特約や、三大疾病によって以降の保険金払い込みが免除となる特約を付けることができます。
●チューリッヒ生命「終身医療保険プレミアムDX」
こちらは主契約で入院限度日数30日、手術給付金5万円で保険料が男性2062円・女性2127円と割高ですが、七大生活習慣病での入院限度日数が1095日に伸びる特約、三大疾病の診断で50万円または100万円の一時金が支払われる特約を付けることができます。
さらに入院が長期になるストレス性疾病の入院限度額が365日に伸びる特約もあるので、保険料の安さよりも長期入院への手厚い保障を求める方におすすめいたします。