『ボラバイト』とは?特徴・メリット・デメリットまとめ

『ボラバイト』という言葉を聞いたことがありますか?
『ボラバイト』とは、『ボランティア』と『アルバイト』を合わせた造語で、有償ボランティアとアルバイトの中間に位置する活動です。
アルバイトは主に報酬が目的ですが、『ボラバイト』はお金が目的ではありません。『ボラバイト』の目的は、新しい体験・技術の習得・自然とのふれあい・仲間との出会いなどです。たとえば、繁忙期の農家に行って農業をしたり、牧場で動物の世話をお手伝いしたり、リゾート地や宿泊施設に行って補助業務を行ったりするものがあります。
多くの場合住み込みで、食事も提供されます。雇用主の家族と一定期間生活を共にするという形態が多いようです。その分賃金から必要経費が引かれていることが多く、賃金はアルバイトと比べて低く、手取りの額面では最低賃金を下回ることもあるようです。
(ただし、雇用者が負担する食費及び宿泊費を含めて最低賃金以上になるように設定されています。)
『ボラバイト』は有償ボランティアとは異なり、あくまで「雇用」という形態をとっているため、その点は労働基準法に違反していないかなど、賛否が分かれるところでもあります。
そんな『ボラバイト』には、どのような特徴があるのでしょうか。いくつか列挙してみます。

・普段はできない自然体験ができる

農村体験や牧場体験など、都会でのアルバイトではなかなか体験できないことが、田舎での『ボラバイト』では体験できます。また、住み込みでの『ボラバイト』の場合、田舎での暮らし方も学べます。
現在、若者の農業離れが進む一方で、将来は田舎で自然に囲まれて暮らしたいという人も増えてきています。そのような人にとっては、田舎で暮らす生活の体験や練習にもなるのではないでしょうか
・たくさんの出会いがある

まず、『ボラバイト』先の人とほとんどの生活を共にするわけですから、雇用者や『ボラバイト』仲間と深い交流ができます。全国各地から人が集まるため、全国の色々なところに知り合いができるのは楽しそうですよね。
また、『ボラバイト』の場所は農家や牧場だけでなく、宿泊施設やレストラン、キャンプ場などにもあるようです。そのようなところでも、たくさんの出会いが期待できそうです。
・長期休業期間を有効活用できる

住み込みの『ボラバイト』が多いため、学生などは長期休暇などを利用して参加することができます。アルバイトで言うと、リゾートバイトのような感覚に近いですね。
ただし、メインはお金を稼ぐことではなく、体験をすることであるというのがリゾートバイトとの違いです。夏休みや春休みなど、長期間の休みが取れる学生にとって、休みを利用してさまざまな体験ができる『ボラバイト』は一石二鳥ではないでしょうか。
・自分の将来像を考える参考になる

『ボラバイト』のひとつの側面には、「職業体験」があると思います。一定の期間、ほぼ毎日同じ仕事をすることで、仕事の楽しさや大変さを学ぶことができます。実際に『ボラバイト』で農業体験をして、将来農家になることを視野に入れたという人もいるようです。
《問題点》最低賃金の問題

ボラバイトは『お金ではなく、経験・知恵・技術の習得を目的とする』とはいえ、ボラバイターは『労働者』です。労働者である以上、当然地域ごとの最低賃金が適用されるわけですが、ボラバイトは原則住み込みで労働するため、食費・宿泊費を控除した賃金(額面は最低賃金以下)が支給されます。問題はこの『食費・宿泊費の控除』で、控除額は基本的に雇用者が設定するため、『ボラバイト』という名目でボラバイターを不当な低賃金で雇う雇用者も存在するのです。
ボラバイター自身も『お金が目的ではない』ボラバイトに応募しているため、不当な低賃金だったとしても誰かに相談することなく契約期間を終え、『良い経験だった』と自分に言い聞かせてしまうそうで、問題が表面化しづらい特徴があるようです。
いかがでしたか?
『ボラバイト』はまだあまり浸透しておらず、ボランティアの一種なのか雇用なのかの線引きが難しいところではありますが、給料をもらって自分の興味のある体験ができるのは魅力的ですよね。人生の中でさまざまな経験をしてみたい、たくさんの友達を作りたいという人にはぜひ参考にしてみてくださいね。