全国の警察が昨年、通信傍受法に基づき電話を傍受した事件は10件で、逮捕者は101人だったことが19日、法務省の国会報告でわかった。逮捕者数は2000年の同法施行以降、過去2番目に多い。傍受した事件は累計で109件、逮捕者は640人となった。
法務省刑事局によると、10件のうち薬物の密売や密輸にからむ事件が9件(逮捕者99人)を占め、組織的殺人未遂事件が1件(同2人)だった。傍受した通話は1万4528回で、すべて携帯電話だった。
通信傍受法は組織犯罪のトップの摘発を目的に薬物、銃器、集団密航、組織的殺人の4分野に限り、捜査機関が裁判所の令状に基づいて電話やメールを傍受することを認めている。
法務省は傍受対象を振り込め詐欺事件などに拡大することなどを盛り込んだ刑事関連法制の改正案を昨年の通常国会に提出。成立せず、今国会でも審議が続いている。
通信傍受法、逮捕者