観た映画の本数を明示し、好きな作品と映画監督を並べてコメントをつければ、人気者になれると聞いたので、多分2,200本以上を観たぼくが、マネしてみる。
万人が100点をつける作品はない。映画の評価は、いつ、だれと観たか、そして自分の経験値によって大きく変わる。オススメする監督の特徴と、その作品がなぜ面白いかを、ぼくなりに書いてみる。みなさまの映画鑑賞の参考になれば幸いである。
クエンティン・タランティーノ
タランティーノは、パクる。いや、インスパイアだ、オマージュだという人もいる。正直どうでもいい。彼は、自分が「面白いと思ったもの」をパクり、「面白いと思った表現方法」までもパクって、作品にする。だから、最高に面白い。
新しいアイデアも表現方法も、既存の組み合わせにすぎない。映画を溺愛するタランティーノは、誰よりも映画を知っている。それらを掛けあわせ、形にできるのが、彼が名監督と賞賛される所以だろう。
「レザボアドッグス」
はじめて観たとき、衝撃を受けた。低予算を逆手に取った「襲撃シーン」。時間軸を利用した、度肝を抜く脚本。極めて暴力的な描写と、耳から離れない楽曲。「無駄な会話」シーンがつくりだす独特な世界観。
書籍「タランティーノ・バイ・タランティーノ」によると、劇中の「無駄な会話」は、レンタルビデオ店バイト時代の馬鹿話、そのものだという。同じく映画業界を目指していたバイト仲間は、かつての自分の発言がパクられたことに衝撃を受ける。そして、作品が絶賛されるタランティーノに憤慨したという。
個人的に衝撃を受けたのは、チョウ・ユンファ主演の香港映画「友は風の彼方に」を観たときのことだ。話の大筋が、レザボア・ドッグスとまったく同じで、「えええええ!」と驚愕した。タランティーノ自身も「パクリ」を認めているようだ。だれも知らない名作を見出し、オリジナルよりも面白く作り、世界的に評価される。評価されたもの勝ちという世界を垣間見た気がした。
キュレーションメディアが注目され、パクりパクられの昨今。ただパクるだけではなく、独自の要素を加え、オリジナルを凌駕する作品が作られることを願う。と、エントリーのネタをパクって、まったく中身のない話で終始し、どの口がそれを言うという話であるが。
ちょっとつかれたので、2本目以降は、後日書くこととする。
2本目〜
- 周防正行(すおうまさゆき)「シコふんじゃった」
- デヴィッド・フィンチャー「セブン」
- スパイク・ジョーンズ「マルコビッチの穴」
- クリストファー・ノーラン「フォロウィング」
- リュック・ベッソン「最後の戦い」
- ダニー・ボイル「トレインスポッティング」
- レオス・カラックス「汚れた血」
- ラース・フォン・トリアー「ダンサー・イン・ザ・ダーク」
- 伊丹十三(いたみじゅうぞう)「マルサの女」
- 矢口史靖(やぐちしのぶ)「ひみつの花園」
- デイヴィッド・リンチ「ブルーベルベット」
- ジョン・ランディス「ブルース・ブラザーズ」
- チャウ・シンチー「食神」
- ジョン・ラセター「トイストーリー3」
- メル・ブルックス「スペースボール」
- ロバート・ロドリゲス「エル・マリアッチ」
- M・ナイト・シャマラン「レディ・イン・ザ・ウォーター」
- アラン・スミシー「ハートに火をつけて」