トルコ首都で爆発 少なくとも28人死亡
- 2016年02月18日
トルコの首都アンカラで17日、爆発物が大量に積まれた自動車が爆発し、少なくとも28人が死亡、61人が負傷した。
アンカラ市当局によると、軍のバスが通り過ぎる際に爆発が起きたという。現場はトルコの議会や軍の参謀本部などに近い市の中心部で、死者には軍関係者のほか民間人も含まれている。
トルコのベキル・ボスダー副首相は、「テロ行為」だと非難した。犯行声明は出ていない。
爆発時には大きな煙が立ち上がるのが見え、目撃者によると、爆発音は市内中で聞こえたという。現場には救急車や消防車が急行した。治安部隊が、現場に残された不発弾を処理した。
トルコのエルドアン大統領は、「自衛の権利」の行使をこれまで以上に決意したと語った。事件の数時間後に発表された声明で大統領は、「攻撃が国境の内側と外側であろうと同様に対応する決意は、このような事件によってますます強まった」と述べた。
ダウトオール首相は、難民危機について協議するためブリュッセルを訪れる予定だったが、予定をキャンセルした。
米国も攻撃を非難。国務省のマーク・トナー副報道官は犠牲者の家族に哀悼の意を伝えた上で、「テロ攻撃という共通の脅威との戦いで、NATO(北大西洋条約機構)メンバーのトルコとの連携をあらためて表明する」と語った。
トルコでは最近、爆発攻撃が相次いでおり、さらに大きな攻撃があるかもしれないと懸念が高まっていた。
17日には、スウェーデンの首都ストックホルムでもトルコ文化センターの建物が爆発によって一部が破壊された。けが人などは出ていない。アンカラでの爆発との関連は分かっていない。
アンカラの爆発が誰によるものかは分かっていないが、ロイター通信によると治安関係者は、過激派組織「イスラム国」(IS)とクルド労働者党(PKK)のどちらかが関与したとみている。トルコ政府の報道官は、攻撃は周到に準備されたものだと述べた。
PKKは、トルコの少数民族であるクルド人の自治を長年にわたり要求し、トルコの治安部隊を繰り返し攻撃してきた。
アンカラでの爆発は、トルコが隣国シリアでの内戦への関与を強めているさなかで起きた。トルコはシリア北部で、PKKと連携しているとみるクルド人民兵組織「人民防衛隊(YPG)」を爆撃している。
トルコはさらに、IS空爆のために自国の空軍基地を米国主導の有志連合に提供している。
(英語記事 Ankara blast: At least 28 dead in Turkish capital explosion)