OECD:世界成長率予想を下方修正-為替変動や過剰債務警告 (1)
2016/02/18 23:11 JST
(ブルームバーグ):経済協力開発機構(OECD)は今年の世界経済成長率見通しを引き下げた。ブラジルとドイツ、米国の経済が減速しつつあると指摘するとともに、新興市場の一部では為替相場の変動と過剰債務のリスクがあるとの見解を示した。
18日発表された最新の経済見通しによると、世界の2016年成長率は3%と、15年と同水準となる見込み。昨年11月時点の予想からは0.3ポイント下方修正された。
OECDは「金融安定へのリスクは大きい」とした上で、「一部の新興市場は為替レートの急激な変動と国内の債務水準の高さによる影響に対し特に脆弱(ぜいじゃく)だ」と分析した。
来週は上海で20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれるが、OECDは既に実施されている金融政策を支援するため財政による景気刺激を増やすよう呼び掛けた。
「共同でのより強力な政策対応が需要促進のために必要だ」とし、「金融政策は単独では機能しない。財政政策は現在多くの主要国・地域で縮小的だ。構造改革の動きは鈍った。より力強い持続的成長を生み出すためには、3つの方策全てでより積極的な政策採用が必要だ」と論じた。中国については今年6.5%、来年6.2%成長が予想されている。
米独の見通しOECDはブラジルの今年の成長率予想をマイナス4%と、前回予想から2.8ポイント下方修正。15年はマイナス3.8%となったもようだとしている。17年はゼロ成長と予想される。
米国とドイツの16年成長率予想も0.5ポイントずつ引き下げ、米国は2%、ドイツは1.3%との見通しを示した。17年はそれぞれ2.2%と1.7%の見込み。
「ドル高による輸出への悪影響や原油安がエネルギーセクター投資の重しとなることなど米経済への逆風は強まっている」とOECDは分析した。
原題:OECD Cuts Global Growth Forecast, Warns of Currency, Debt Risks(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:パリ Mark Deen markdeen@bloomberg.net
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更新日時: 2016/02/18 23:11 JST