■ソーシャルゲームのコンプガチャにメス--消費者庁が規制へ
■消費者庁が報道否定――SNSのコンプガチャ問題
■消費者庁がコンプガチャ規制を検討--業界各社の動き
と、連日世の中を騒がせまくりのソシャゲ界隈ではありますが、結局のところ件のコンプガチャが規制されるのかされないのかというのは今日現在の段階ではわかりません。わかりません、が!これだけ騒がれて何千億という額が実際に下がっただのなんだのとしている以上、世間のイメージとしては最悪な状況でして、仮に規制されずとも業界全体で最低限何らかの形で自主規制が必要になるでしょう。
逆に、実際にコンプガチャが規制されることになり、コンプガチャ相当の代替案のようなものが出てきて、いざそれのおかげで大きく売上を伸ばしたとしても、そしてそれが全く問題のない方法(昔から世の中でまかり通っているモデル)であったとしても、"ソーシャルゲームである"という感情的な理由だけで規制の対象になりかねないのが怖いところです。
とまぁ、その辺りは散々語られているところなので割愛するとして、自分も先月から現場に戻ってきた身で今回思うのは、いずれにしても「ガチャ」一辺倒のビジネスモデルは危険であろうということです。
実際、コンプガチャそのものが規制されたところで、多くのマネタイズ要素のうちのひとつでしかないわけですから(その中でも収益性は高いのかもしれませんが)、いきなり「ソーシャルゲーム死亡www」とかはならないわけです。ならないんですが、そんな「コンプガチャ」が規制される!って話が出ただけでこの騒ぎですから、問題の根は深いです。
拙作「ドラグーンアリーナ」の制作においては、物語世界として構築されたゲームの中に「ガチャ」という名前のコンテンツを入れる事に対して自分は最後まで消極的でした。ガチャって。まぁ子供の頃ガチャとカードダスは死ぬほどやりましたが、そのイメージですよ。子供が駄菓子屋とかスーパーで回すやつ。というかその辺のネーミングも叩かれやすくしている要因のひとつだとは思います。わかりやすい名前もヒットの要因でしょうけどね。
よく子供の高額課金がやり玉にあげられますが、実際子供で重課金してる人なんてほぼいないでしょ…。というか記事や報道を見ても、親がクレジットカードを子供に使わせてたとか、そういう信じられない類のケースばかりな気がする。
話がずれましたが、そういうワケで「ドラグーンアリーナ」では消費アイテムをメインとしたマネタイズを行うべく設計していたんですが、紆余曲折あってリリース直前になってガチャを実装することにし、リリース後一週間くらいしてからガチャを追加したんですね。
リリースからガチャが追加されるまでの間、コミュニティなどもチェックしていたんですが、そうすると「ガチャいつやるんだろ?」とか「このゲーム面白いんですけどガチャは無いんですか?見つけられないです…」というユーザーの声が多いこと多いこと。ゲームがやりたいのかガチャがやりたいのか、どっちなんだって話ですが、よく考えればここまでコンプガチャやらが騒がれてるわけですから、すでに「商品」として「ガチャ」というカテゴリというか概念というかコンテンツというか、そういうものが出来ていたんだね……と、思いました。
ただまぁ、そう考えた時に改めて、現状のガチャはゲームと切り離された存在であるわけで、課金比率がガチャに傾くほど、やはりゲームとしては危うい。
もう2年くらいは叩かれ続けている業界ですから、こうした問題をはらんでいて様々な危険に発展するというのは当然把握し重々承知した上で現場に戻ってきていますんで、自分ができることとしてはこの流れを変えていきたいという思いで業務にあたっています。
なんというか、ゲームは遊ぶのも作るのも好きだし、なによりその大好きなゲームにおいて、やいのやいのと憂いているのも不毛ですから、自分がやったるぜと。とまぁかっこいいこといってみましたが、仕事としてのやり甲斐はありますよね。
「ガチャ」ばかりが取り沙汰されるわけですが、「ファイナルファンタジーブリゲイド」なんかは、ゲームの内容はさることながら、既存のカードゲームのシステムをアレンジしつつ、直接的にはガチャを用意せず、消費アイテムをメインとした課金モデルを確立しており、UI設計やイベント運営等においてもかなり高い水準のクオリティを保っていて、今後の携帯向けソーシャルゲームのベンチマークになる作品であると勝手にリスペクトしています。いやーあれはすごいし、面白いよ。
強いていえばチョコボがガチャに近い役割を果たしているんですが、「ガチャ」として独立しているわけはなく、うまくゲームシステムの中に取り入れていて嫌味なく機能させているのがすごいところです。無料でもどんどんレア武器とか手に入るバランスもゲーム屋ならではのレベルデザインだなぁと思いますね。
強いていえばチョコボがガチャに近い役割を果たしているんですが、「ガチャ」として独立しているわけはなく、うまくゲームシステムの中に取り入れていて嫌味なく機能させているのがすごいところです。無料でもどんどんレア武器とか手に入るバランスもゲーム屋ならではのレベルデザインだなぁと思いますね。
家庭用ゲームメーカーの老舗が、超大型IPをソーシャルゲームに投入して、しかも独自の方法でゲームシステムを考案して成功しているんですから、これはすごいことだし、スクエニファンとしても嬉しい訳です。
最後に、よくソーシャルゲーム開発者は金の亡者だの、糞みたいなゲームばっか作りやがって恥を知れだのという論調の意見をよくみますが、んなこたぁーないです。日々、どうしたらもっともっと面白く出来るか知恵を絞って、多くのスタッフが頑張ってます。
そもそも「コンプガチャ」をやればやっただけ儲かるのかというとそんなわけはなく、無料とはいえ、触って遊んでみたゲームを少しでも面白いと思わなければお金は払いたくありません。誰だってそーする。俺もそーする。
射幸心射幸心と言われますが、あくまで面白さの上で成り立つ話しですから。
無料でクソゲーをつかまされて、その上でお金を払うやつなんかいないでしょう…。
ただ、これだけ大きく利益を伸ばしている業界ですから、ゲームの面白さなんか二の次でとにかくガチャ!とにかく射幸心煽れ!みたいな開発者や業者も多くいるのは間違いないでしょう。というかたまにインタビューとかでみる…。でもそういうのは、今回の騒動をきっかけに徐々に減っていってくれるんじゃないかなぁ、なんて思ってます。
こんなデリケートな時ですから、自分が関わってるタイトルは明かせませんが、色々と決着がついて落ち着いた時に「ソーシャルゲームって色々騒がれていた時があったけど、あのゲームは良かったよね」と言われるタイトルになるよう頑張って行きたいところであります。
…綺麗に締めた!
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