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  ▽舞鶴・呉など4市、共同申請 

 舞鶴市など旧海軍鎮守府が置かれた全国の4市がこのほど、明治、大正期の近代化遺産群をめぐるストーリーを「日本遺産」として認定するよう、文化庁に共同申請したと発表した。4月ごろ審査結果が明らかになる見通し。

 申請したのは、旧軍港市振興協議会を構成する同市と神奈川県横須賀、広島県呉、長崎県佐世保の各市。「軍港都市 横須賀・呉・佐世保・舞鶴―日本近代化の躍動を体感できるまち―」として、静かな農漁村に鎮守府が置かれて軍港都市が誕生し、日本の近代技術が育まれたという共通のストーリーをアピールする。

 このうち舞鶴市は、一部が国の重要文化財に指定されている赤れんが倉庫群、旧北吸浄水場配水池のほか、舞鶴鎮守府初代司令長官を務めた東郷平八郎が暮らした「東郷邸」、砲台や要塞(ようさい)司令部跡、鉄道施設などを構成文化財として挙げている。この中には、同市が発祥とされる「肉じゃが」のレシピが書かれているとされる「海軍割烹(かっぽう)術参考書」も含まれる。

 市の桜井晃人・観光商業課長は「認定されれば、日本遺産のブランドを活用し、4市で連携して観光振興に取り組みたい」と話している。

 日本遺産は、地域の歴史から日本の文化・伝統を語るストーリーを文化庁が認定する。今年度に初めて募集があり、全国83件の申請の中から18件が選ばれた。府内からは府南部8市町村の「日本茶800年の歴史散歩」が選定されている。2020年までに全国で100件程度が認定される予定。