全斗煥元大統領の追徴金未納分、長男経営の会社に納付命令

検察が回収班を設置してから3年、民事訴訟を通じ初回収

 全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領の長男・宰国(チェグク)氏(57)が経営する出版社「時空社」が、全元大統領の追徴金の未納分を代わりに納めるよう命じる裁判所の決定が下った。検察が2013年、全元大統領の追徴金回収班を立ち上げて以降、民事訴訟を通じ、全元大統領側から追徴金を取り立てることができたのは初めてだ。

 ソウル中央地裁民事18部(チョン・ウンヨン裁判長)は先月3日、検察が時空社を相手取って起こした、追徴金の未納分に対する債権回収訴訟で「時空社は今年から2021年までの6年間、56億9300万ウォン(約5億4300万円)を支払うように」とする強制調停の決定を下した。この決定は、双方が2週間異議を申し立てなかったため、先月末に確定した。これを受け、時空社はこの期間に、毎年7億-15億ウォン(約6700万-1億4300万円)ずつ追徴金を収めなければならない。

 宰国氏は時空社の筆頭株主で、持ち分の50.53%を保有している。同社は宰国氏と、弟の在庸(ジェヨン)氏(52)が所有するソウル市瑞草区瑞草洞のビルに本社を置き、このビルと近くの土地を担保として、銀行から融資を受けてもいる。

 検察は追徴金の回収を進めるため、このビルを含む不動産を競売に掛け、2014年から昨年にかけ116億ウォン(約11億600万円)で落札された。このうち、銀行から融資された金額を除く63億ウォン(約6億円)は、宰国氏と在庸氏の資産になる。このため検察は昨年、両氏の資産となる63億ウォンを追徴金として取り立てるため訴訟を起こした。9カ月にわたる裁判の末、検察は請求した63億ウォンのうち、提訴後に時空社が納めた額を除く56億9300万ウォンを受け取れることになった。

 全元大統領は1997年、追徴金2205億ウォン(現在のレートで約210億円)を命じられた。だが、昨年末までに回収できた額は51.4%、1134億ウォン(約108億円)にとどまっている。

チョ・ベッコン記者
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