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Feb 14, 2014 コメント(1)
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みなさん、こんにちは。 日経オートモーティブという雑誌に、日産の電気自動車リーフと、トヨタの燃料電池車MIRAIの実走燃費比較が掲載されておりました。それによりますと、リーフが市街地で6.3km/kWhだったのに対し、MIRAIは2.7km/kWhと、半分にも満たない結果となりました(MIRAIの数値は、水素の単位エネルギー量を142MJ/kgとしてkWhに換算したもののようです)。 僕は10年以上前から、「燃料電池車のエネルギー効率は決して良くない」と、ことあるごとに主張してきましたが、実車が出たと思ったら、早くもバレてしまいました(^^;。 ちなみにこの比較は、車両にエネルギー源が注入されて以降(EVは充電、FCVは水素充填)のものですから、製造過程における効率は加味されておりません。でも、最新のCNG火力が50%超、水素が注入ステーションで70MPaまで圧縮される段階で約50%であることを加味しても、差はほとんど縮まらないことになりますが(効率30%の原発使いますか(^^;?)。 さて、ここで興味深いのは「それじゃハイブリッド車と比較したらどうなのよ?」ということだと思いますので、試しに計算してみました。燃費は新型プリウスAグレードの37.2km/Lをベースに、実燃費を7掛けの26.0km/Lとし、ガソリンの単位エネルギー量を34.6MJ/Lとします。JをkWhに換算するには3600で割れば良いので、34.6MJは9.61kWhになりますね。 すると、37.2×0.7÷9.61=2.71km/kWh という結果となりました。 あれ、MIRAIとほぼ同じではありませんか(^^;。 「走行条件が違うのではないか」という異論もあるかもしれませんが、日経のテストでも、MIRAIの実燃費はJC08モードの73%だったということなので、ほぼイコールコンディションでの比較と考えて良いのではないかと思います。 さらに、燃料の製造行程まで考えますと、ガソリンの80〜85%に対し、CNGから製造した水素は2030年目標でも54.7%ですから、現段階でも、エネルギー効率という点ではプリウスが優っているという結果となるはずです。 というわけで、(何度も書きますが)燃料電池自動車はエネルギー効率の点では決してエコカーではありません。以前にも書いたように、再生可能エネルギーで発電した電気を貯蔵する目的で、水素を使用しているのです。あるいはCNGから水素を分離した場合、炭素をまとめて回収できますから、CCS(二酸化炭素の地下貯留技術)が確立されれば「CO2フリー」と言うことにはなります(なんか”トイレのないマンション”と言われている某技術に似てますね(^^;)。 でもそれならば、発電効率60%が狙えるCNG火力コンバインドサイクルでもCCSは使えるわけで、クルマに入れてからのエネルギー効率が2倍も違うのでは、水素を選択すべき理由はなくなってしまいます。航続距離の優位性を加味しても、すでに全国に供給網が張り巡らされている電力と、これから整備しなければならない水素ステーションに1箇所5億円もかけるのと、どちらを選択すべきかは自明のことではないかと思います。 今年はホンダがFCVのリース販売を開始しますので、僕も取材する機会をいただけると思いますが、こんな質問をぶつけたら、また嫌な顔をされるんだろうなぁ(^^;。 このブログでよく読まれている記事
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