しかし本当に重要なことは、今回の措置をきっかけに国際社会の協力を引き出すことだ。今回は韓国が先頭に立って北朝鮮に対する厳しい制裁に踏み切っただけに、今後米国や日本、欧州連合(EU)、国連はもちろん、中国やロシアなどに対しても北朝鮮に対する実効的な制裁に加わるよう説得しなければならない。それにはまず北朝鮮と取引のある各国の個人や企業、金融機関に対して制裁を加える「セカンダリーボイコット」を実行に移すため、米国との具体的な協議に入らねばならない。米国が制裁に加われなければ、いかなる制裁も成功はおぼつかないからだ。米国は2005年、マカオのバンコ・デルタ・アジア(BDA)の北朝鮮関連とみられる口座を凍結する制裁に踏み切ったが、しばらくすると解除してしまった。今回もこの時と同じように米国が中国との対立を避けるため一歩引くのであれば、北朝鮮の核ミサイルがいつ米本土に狙いを定めるか分からない。米国に対してはこの点をしっかりと認識させなければならない。
北朝鮮による核・ミサイル開発のもう一つの資金源となっているのは、海外に派遣されている北朝鮮労働者からの送金だ。韓国政府はこの送金についても国際社会と協力して制裁対象としなければならない。北朝鮮は中国やロシア、中東、東南アジアなどに10万人以上の労働者を派遣し、年間3億-4億ドル(約340億-450億円)の資金を手にしているとみられる。そのためまずは国連加盟国に対し、北朝鮮からの労働者を受け入れないよう強く求めていかねばならない。
国際社会は昨年、経済制裁などさまざまな圧力を加えることで、イランとの核開発凍結交渉に成功した。ただしイランは北朝鮮と違って原油などの取引額が非常に大きく、また自分たちを背後から後押ししてくれるような国もなかったため、国際社会による制裁が非常に大きな効果を発揮した。これに対して北朝鮮に対する制裁は、最終的に貿易取引の8-9割を占める中国が積極的に関与しない限り意味はない。中国に対して、北朝鮮への原油と食糧の供給、地下資源の輸入、企業活動や金融取引などの縮小あるいは中断に踏み切らせるには、韓国政府はできる限りの努力を傾けなければならない。国際社会も中国に対し、北朝鮮に対する制裁に加わるよう全力で求めていくべきだ。