1年で最大の繁忙期を迎えた携帯電話市場が“異変”に揺れている。総務省が携帯電話事業者に販売方法の適正化を行政指導。「実質0円」端末や多額のキャッシュバック(現金還元)を目当てに短期間で事業者を変更する乗り換え客が姿を消し、販売店の客足も途絶え気味だ。しかし、多くの利用者が恩恵を受けるには至っていない。「これは第1弾」(高市早苗総務相)と今後に期待する総務省と、「検討中」と腰が重い携帯各社の温度差は大きい。
1月31日まで1台4万円ほどのキャッシュバックが行われていた東京・秋葉原のヨドバシカメラマルチメディアAkiba。ソフトバンクの売り場責任者の川村正樹さんは「2月に入って1〜4日の乗り換え客は普段の平日に比べて8、9割減った」と苦笑する。
昨年10月から総務省で始まった携帯料金引き下げ論議は業界だけでなく、利用者の関心も強かった。しかし、議論の結果を受けて総務省が12月に携帯各社に要請したさまざまな是正策に取り組む事業者の動きはゆっくりだ。
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