読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

かずかずのたまご

~road to プリケツ~

受験勉強という最強の『人生のロスタイム』から子供を守る

 

どもども、かずかずです。

 

僕は中学・高校・大学と、人生で3回も受験をしました。受験して受かることが価値のあることだと思ってましたし、エスカレーターだと人間は腐るとすら思っていました。

 

でも最近、もしかしたら逆かも、と思い始めています。というのも、僕の友だちで「こいつはまじですごい」と思える3人が、人生における受験の回数をむしろ抑えているからです。

 

ということで今日はその3人の紹介をしつつ、受験は無いほうが良い人間出来上がるんじゃないかというお話をしたいと思います。

 

今回は、IBMの同期ハセ早稲田卒・教育系ベンチャー徹くんロサンゼルス時代の元カレのマイケルに登場していただきます。

 

しかし、その前に説明しなくては行けない概念が2つあります。『やりたいことドリブン』と、サンクチュアリ期間』です。

 

『やりたいことドリブン』な人間づくり

 

『やりたいことドリブン』(Yaritai-koto driven)とは、ある人の行動のモチベーションが、それを「やりたいかどうか」であることを示す言葉です。

 

ドリブンとは、ドライブ(運転する)の過去分詞で、「運転される」→「突き動かされる」といったニュアンスです。つまり『やりたいことドリブン』とは、「やりたい」という気持ちによって突き動かされている状態を指します。

 

例えば、「世の中の情報をより利用しやすくしたい」という思いがあってGoogleで働いてるなら、それは『やりたいことドリブン』だし、「Googleに勤めてれば会社のイメージと共に自分もクールと見てもらえるだろう」と思ってGoogleで働いてるなら、それは『やりたいことドリブン』ではありません。

 

対義語はコミュニケーションドリブンとか、世間体ドリブンとか、そんなところでしょうか。もしあなたが僕のブログを読みたいから読んでるなら、それは『やりたいことドリブン』です。しかし、もしあなたが僕の友人で、今度会った時ブログを読んでないと話の辻褄を合わせにくいから、などと気にして仕方なく読んでるなら、それは『コミュニケーションドリブン』です。

 

f:id:kzkz_ozn:20160218041615j:plain

(プライドパレードで貰ったGoogleおちょこ) 

 

『やりたことドリブン』で生きることは、個人の生産性幸福度も高めます。では、どうしたら『やりたことドリブン』で行動できるようになれるのか。そんな人格は一朝一夕では形成されません。

 

『やりたいことドリブン』人格を形成するためには、①社会的プレッシャーから開放されていて②周囲が協力的である、この二つを満たした環境で育たなくてはいけません。

 

この二つが体現されているのが、サンクチュアリ期間です。何さっきから新しい言葉作りまくってんのって? そうなんです、名付け親になりたい症候群なんです。

 

人生におけるサンクチュアリ期間がどれだけあるか

 

サンクチュアリとは聖域という意味です。

 

西暦4世紀のエジプトは、当時新興勢力だったキリスト教に侵略されていました。キリスト教が乱暴に外で記念碑や神殿を壊しまくってる中、女性天文学者のヒュパティアは、最後までアレクサンドリア図書館の中で「天動説は間違っているんじゃないか」と研究を続けました。

 

この、世界がどれだけ混沌としていても、誰にも邪魔されない自分の場所がサンクチュアリです。(やべぇ、超わかりにくい。)

 

f:id:kzkz_ozn:20160218042649j:plain

 

f:id:kzkz_ozn:20160218042653j:plain

 (映画アレクサンドリアのシーン 画像:Hypatia of Alexandriaより)

 

つまり、誰からも邪魔されない、静かな場所です。居場所が無いいじめられっ子が、授業を抜けて図書室に来ました。司書さんは注意することなく優しく見守ってくれています。彼は時間を忘れて静かに本を読みました。

 

この場合だったら、この図書室が彼にとってのサンクチュアリ。やばい、サンクチュアリという言葉の響きのサンクチュアリっぽさったら半端ない。

 

IT企業の社員にとったら、トイレの個室がサンクチュアリなんですけど、それはなんか悲しいですね。負のサンクチュアリと名づけましょう。

 

f:id:kzkz_ozn:20160218043143j:plain

(徹夜明けの学生の机の上に転がるレッドブルの缶のようなトイレットペーパーの芯)

 

さて『やりたことドリブン』で行動するには、誰からも邪魔されず、かつ周囲から協力を得られる必要があります。これが体現されているのが人生におけるサンクチュアリ期間です。

 

僕にとっての集中してやりたいことに取り組めてた期間、つまり人生のサンクチュアリ期間は、単純化すればこんな感じです。

0才~小5、中1~中2、高1、大学1~3、

ご覧のとおり、めちゃくちゃ受験に邪魔されてます。

 

サンクチュアリ期間を何かに断絶されるのは非常にかったるいです。ゲーム中に「ご飯できたわよ~」って声かけられるのと同じです。 

 

つまり、日本の子どもたちの人生の節々にある受験の存在が、子どもたちの『やりたことドリブン』な人格の形成を邪魔しているのかもしれないのです。

 

そして受験勉強とは、サンクチュアリ期間と真逆の環境を作っています。なぜなら、

①社会的プレッシャーから開放されない(受験に失敗することで社会的身分が下る)

②周囲が協力的でない(偏差値を上げること以外の勉強はサポートしてもらえない)

からです。

 

心から「コイツは優秀や」と思う友人たち

 

『やりたいことドリブン』な人格を形成するために、人生における連続したサンクチュアリ期間が必要であることがわかりました。

 

では、その人生におけるサンクチュアリ期間をなるべく長く持ち、『やりたいことドリブン』な人格を持っている3人のエピソードをご紹介します。登場していただくのは以下の三人です。

① IBM時代の同期・長谷川(ハセ)

② 早稲田卒・教育系ベンチャーの徹くん

③ ロサンゼルス時代の元カレ、マイケル

 

IBM時代の同期・長谷川(ハセ)

雑な大量採用で悩める新卒を量産しているイメージのIBMですが、しっかりしてる人もいました。そしてハセはIBMで出会った中で最も「色々腑に落ちてそこに居る人」の中の一人でした。

 

ハセは、どれだけ仕事が忙しくても、忙殺されずに今最もやるべきことを着実にこなします。逆に、どれだけ仕事が無くて暇でも自習を進め、知識を蓄積する。眠いなと思ったら座りながらちょっと寝る。本当にすくすく、のびのびと育っている感じでした。

 

別にハセは仕事マシーンみたいなのじゃないんですよ。普通に「締め切り過ぎちゃったテヘ」みたいなのもある、れっきとした人間です。週に一日はゆっくり出社日を設ける等、超マイペース。お前はなぜそんなに何にも追われてないんだ、って感じなんですけど、ハセからしたらお前なんでいつもそんなに何かに追われてるの? って感じなのでしょう。

 

これが出来るか出来ないかって、今いる環境が自分のやりたいことに合ってるかどうか、やりたいことに基づいて環境を選べているかどうかに尽きると思うんですよね。

 

ハセは将来やりたいことを踏まえ、非常に合理的な理由でIBMのその部署でその仕事をしています。周りの同期からしても、10ヶ月で辞めた僕からしても、「うん、お前はそこにいるべき人間だ」ってなる最強の適材適所なのです。

 

入社当時、なんでコイツは隣ですくすく育ってんだよ、と僕は悩みました。

 

そんな彼は小学校から大学までエスカレーター。 つまり一般市民が経験する受験という受験をしていません。ハセは高校の時に、受験勉強して他の大学受けたいかもと一回思うも、受験勉強を始めてすぐに「あ、これは俺向いてないや」って思って辞めたそうです。

  

受験をしないことに関してもそうですが、仕事においても、本当に必要なことと自分のやりたいこと以外では多分彼の脳稼働してないんですよね。そのエネルギー効率の良さったら半端ないです。多分スマホもハセを搭載すればバッテリーめっちゃ持つと思う、今日このごろ。

 

というわけで、受験に邪魔されず、長々サンクチュアリ期間を持ち、興味のあることをやり、『やりたいことドリブン』の人格を形成し、結果自分のやりたいことをやって回るような環境に身を置けてる最強のハセなのでした。

 

早稲田卒・教育系ベンチャーの徹くん

拙著の『好きなことやれないサイクル』はヤバい。を読んで連絡をくれた徹くんという同年代の子がいます。彼と先日スカイプしたんですが、彼の知識量の多さ・頭の回転の速さ・やりたいことへの情熱ったら半端ない。

 

彼は幼少期からめちゃくちゃ頭良くて、中学の頃千葉県で偏差値80以上が出てしまうような感じの少年でした。そして自分が点取マシーンであると自覚します。そしてある日、偏差値という数字に一喜一憂することが非常に無駄であると気づき、こんなのに振り回されてはいけないと早稲田大学高等学院に入って、大学受験をエスケープ(この発想がやばい)。

 

早稲田を卒業して新卒でリクルートに入るものの、リクルートの非イノベーティブな既存ビジネスゴリ押しモデルに嫌気が差し、6ヶ月で退社。

 

そして彼は今、日本の教育のやばいのをどうにかしたすぎて、教育系のベンチャーにいます。今春から社会人やりながら早稲田の院に通い、入学前から修士論文をつくって教授に提出しちゃうような奴です。その院に行くということも、「単に教育界のインフルエンサーに聞く耳を持ってもらうための肩書をゲットしに行く」という目的を達成するためだそう。どんだけ『やりたいことドリブン』なの。

 

元カレ・マイケル

僕がロサンゼルス留学時代に付き合ってたマイケルは、死ぬほど頭がいいです。彼もまた、やりたいことにしかエネルギーを割かない、『やりたいことドリブン』な人間でした。

 

マイケルは小学校を4年生の時に辞め、ホームスクールに切り替えました。そして大学まで受験無しの人生です。

 

なんですが、そのホームスクールにした理由がやばい。

 

かずかず:なんでホームスクールにしたの? リッチなの?

マイケル:小学校の時の理科のテストで「北に行くと、気温は上がりますか? 下がりますか?」という質問があったんだけどね。Kazuki, 答えは何?

か:え、なにそれ、ひっかけ問題?

マ:高くなる? 低くなる?

か:うーん、緯度は高くなると思う。

マ:(笑)まぁそれでもいいや。南半球にいても?

か:あ、そうか。

マ:僕は「スタート地点による」って書いて、そしたらバツをもらったんだよ。そんで先生に説明しに行ったんだけど、なんかすごい嫌そうな顔された。

か:え、その先生やば。

マ:でしょ。逆に褒めポイントじゃないの?と思うよね。そんでこんなのやってられなー、と思ってホームスクールにしたんだよ。幸いうちは経済的にそれがアフォーダブルだったから。Kazukiもそういうの嫌いなタイプでしょ? 

か:うん、学校って不条理多いよね。でも、金持ちでよかったね。

マ:ほんとにそれ。

 

マイケル少年は帰宅後、両親と相談し、その先生やべぇわということになってホームスクールに切り替えました。ホームスクールで高校分までを終え、その後アイビーリーグのDartmouth大学に入りました。

 

入学後、1~2年生の教養期間で言語学に興味を持ち、専攻を決定。その後UCLAの言語学の院に行きます。ジャグリングしたり、テーブルゲームを制作したり、休学してGoogleのスピーチテキストのプロジェクトのリーダーやったり、みたいな感じで、自分の興味あることばっかりを極めて、それでわりとOKな環境にいるマイケルでした。

 

これはマイケルが小4の時点でしっかりしていたかどうこうではなく、結局どんなマインドが許される社会かということです。

 

訳のわからないことがまかり通っていたら、そんな下らない場所で下らない人に付き合っていないで、違う環境を求めることができる社会、それを支援する制度が既に整っていたということです。アメリカでは20年前に。

 

これはまた受験は無駄だから避けようという議論の更に後の話です。

 

ここでサードプレイスの必要性だったり、サドベリー・スクールやオルタナティブ・スクールの必要性、それらのメリット・デメリットの話になってくるのですが、そこら辺はもうちょっとちゃんとリサーチしてからまたお話できればと思います。

 

まとめ

 

やっぱ、どれだけ受験的に成功しても、だからといって自動的に幸せなライフがゲットできるというわけじゃないんだと思います。傍から見たらそう見えるかもしれないけど。

 

どれだけ良い経歴を持ってるかではなくて、『やりたいことドリブン』で、どれだけ自分のやりたいことに向かって主体的に動けるかどうか、というのが、マインド的エリートなんじゃないかなぁ、と、彼らを見て思いました。

 

ほなほな。

 

P.S.

サンクチュアリの説明で用いた映画『アレクサンドリア』は、ローマ帝国統治時代のエジプトの哲学者・天文学者ヒュパティアの物語です。

 

f:id:kzkz_ozn:20160218045829j:plain

(画像:ヒュパティア - Wikipediaより)

 

当時、当然とされていた天動説と、「円が世界の真理であり、最も完全であり、星の軌道もそれに従う」という2つの常識を疑い、地動説と、更に星の軌道は潰れた円(楕円)であるという仮説にたどり着いた女性研究者です。

 

当然とされていることを疑うこと、考えることをやめないことがいかに大事かということが学べる、『好きなことやれないサイクル』から抜け出せない日本人必見の映画です。

 

キリスト教の侵攻により彼女を抑圧する力が様々あった中、言論と研究をやめなかった強い女性の物語です。歴史分かんないと結構ちんぷんかんぷんなので、是非詳しい人と一緒に見て、分かんないとこ一々教えてもらいながら見てください。(僕は最初ちんぷんかんぷんでした!)

アレクサンドリア [Blu-ray]

アレクサンドリア [Blu-ray]

 

 

 

関連記事