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【社会】

「平和の俳句」初の親子入選ににっこり 9歳息子が父に続く

「平和の俳句」に応募した句を契機に平和や戦争について話し合う(右から)中内亮玄さん、彩乃さん、颯眞君の親子=福井市の自宅で

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 今日の「平和の俳句」は福井市の小学三年生・中内颯眞(そうま)君(9つ)の<平和とは家族で入るお風呂かな>。中内君の父で、俳人の亮玄(りょうげん)さん(41)はこれまで三回入選しており、親子では初の入選となった。妹で小学校一年生の彩乃さん(7つ)と、母の眞知さん(34)も投稿に挑戦中で、颯眞君は「家族そろって新聞に出たい」と話している。 (西畠良平)

 颯眞君の句は、親子で一緒に入るお風呂の楽しさを通じて平和を詠んだ作品。選者のいとうせいこうさんは「家族で話をする。体があたたまる。わらいあう。その日々が平和」と評した。颯眞君は「平和といえば家族で一緒に入るお風呂の時間。それをそのまま言葉にしました」と話す。

 俳句に関心を持ったのは昨年、夏休み前の国語の授業で教科書に載っていた松尾芭蕉などの俳句に触れたことがきっかけ。見せてくれたノートには、「授業中に作った」という句が十句ほど並んでいた。

 亮玄さんは、息子たちが俳句に興味を持つ様子を見て、「平和の俳句」に挑戦するよう勧めてみた。毎日朝刊一面に載っている「平和の俳句」を読み、家族で戦争や平和について話し合う機会が多くなっていたこともあったという。

 颯眞君や彩乃さんは、野坂昭如さん原作のアニメ映画「火垂るの墓」を見て、見聞きしたことのない戦争を想像した。颯眞君にとっての「戦争」は「家が全部焼けてしまう怖いこと」。そのイメージから<戦争は家が焼き尽くされること>という句も作ったが、明るく前向きな入選句の方を投稿したという。

 彩乃さんが投稿した句は<友達と遊んでわかる平和だな>。怖い戦争にならないよう、平和な毎日について話し合ううち自然にできたという。

◆募集しています

 「平和の俳句」への投稿を募集しています。はがきの裏面に1句を記入。同じ面に住所、氏名(振り仮名)、電話番号、年齢、職業を明記し、〒100 8525 東京新聞文化部「平和の俳句」係へ。投稿は未発表の自作の句に限り、季語のない句も受け付けます。ペンネーム不可。よろしければ背景にある体験、込めた思いなどをお書き添えください。

 

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