中国通貨当局の「毅然とした態度」
いよいよ春節も終わり、中国がマーケットに帰ってきた。
この1週間、世界のマーケットは中国要因なしでも大荒れの展開であったが、春節が明け、今後は中国が再びマーケットの攪乱要因になる可能性が高い。マーケットの乱高下は当分おさまりそうもない。
春節明けの2月15日、中国の通貨当局は、事実上の「人民元切り上げ」措置を発動した。中国人民元は、1日の上げ幅としては、2005年7月以降で最大の上昇(前日比+1.2%)を記録した。
これは、中国当局が人民元売りを仕掛ける投機筋に対して「毅然とした態度」を示すことによって、人民元に対する「通貨アタック(人民元売りを仕掛けることによって莫大な利益を稼ぐ投資行動)」をやめさせようとする試みであろうと思われる。
これによって、人民元に対する売り浴びせは一時的に鎮静化する可能性はあるかもしれない。だが、これで問題が解決したとは言い難い。ほとぼりが冷めればまた、中国の外貨準備に対する懸念が出てくるかもしれない。
すなわち、事実上の金融引き締めを意味するかもしれない「人民元切り上げ」をしなければならないほど、中国通貨当局は外貨準備に対する警戒感を高めているという、逆のシグナルと解釈されるかもしれないからである。
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