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 消費者庁の板東久美子長官は17日、自らを含む職員9人が来月13日から1週間程度、徳島県神山町に滞在して試験的に業務を行うと発表した。安倍政権が検討している同庁の徳島県移転に向け、「お試し勤務」を実行する。

 板東長官らは13日に現地に入り、14日から通常の業務をこなす。東京にいる職員との打ち合わせや決裁などを、差し支えなくできるかを確かめる。

 板東長官はテレビ会議システムを使って記者会見を行う。東京で開かれる会議への出席も検討している。徳島県がアピールする同県の消費者行政の施策も視察し、移転のメリットがあるかを探る。板東長官は「消費者行政がどのように機能強化できるのかを見ていきたい」と述べた。

 同庁の移転先に挙げられているのは徳島市内の県庁舎だが、徳島市街から車で40分ほどの山あいにある神山町にはIT(情報技術)企業のサテライトオフィスが集まる施設がある。高速のインターネット回線などが整っており、河野太郎消費者相が試験勤務の場所に選んだ。向かいには宿泊施設もあり、職員らはそこに滞在する。同庁は今夏にも同県内でさらに長期間の試験移転を行う予定だ。(毛利光輝)