「高梨は平昌に向かって順調に飛んでいる」(読売新聞)、「高梨は無敵だ」(スポーツ報知)、「前人未到の道を進んでいる」(日刊スポーツ)…。
高梨沙羅(19)が世界のスキージャンプ・ワールドカップ(W杯)の歴史を連日書き換えている。日本国内では既に2018年の平昌冬季五輪金メダルを確信しているムードだ。
高梨は8日(韓国時間)、今季12回目の国際スキー連盟(FIS)スキージャンプW杯(オーストリア・ヒンツェンバッハ)女子で合計260.1点を記録した。高梨は今季、W杯スキージャンプ第3戦から今回の第12戦まで一度も逃すことなく金メダルを手にした。自身が持つW杯女子最多連勝記録は「10」に増えた。高梨はW杯通算勝利数でも歴代1位(41勝)だ。
北海道出身の高梨はスキー選手だった父と兄の影響を受けて小学校2年生の時にスキージャンプを始めた。15歳だった2011年のコンチネンタルカップで「女子選手史上最年少の国際大会優勝」を達成、早々に頭角を現した。キュートなルックスに加え、実力抜群ということで日本国内で人気が高い。フィギュア界のスター、浅田真央と一緒に広告撮影もしている。「両親はコンビニエンス・ストアを経営している」と報道されるなど、その一挙手一投足が注目されている。
勢いに乗っている高梨だが、初めて女子の競技が正式種目に採用された2014年のソチ冬季五輪では4位に終わった。その悔しさからさらに努力を続け、今季開始前は慢性的な弱点と言われていた助走を集中的に練習したという。今季のW杯はあと7戦残っているが、2年ぶりのW杯総合1位も有力になった。高梨は「平昌五輪まであと2年、もっと実力を磨きたい」と語った。