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 米スタンフォード大アジア太平洋研究所は17日、アジアに関する優れた報道をたたえる2015年の「ショレンスタイン・ジャーナリズム賞」を、元朝日新聞主筆で「日本再建イニシアティブ」理事長の船橋洋一氏に贈ると発表した。5月6日に同大で授賞式が行われ、賞金1万ドル(約110万円)が贈られる。

 賞は、アジアへの理解を深める報道と、報道機関の独立性に貢献してきたジャーナリストが対象。これまでにニューヨーク・タイムズ紙のバーバラ・クロセット氏、ウォールストリート・ジャーナル紙のジェイコブ・スレシンジャー氏など米国や中国などの13の個人・団体が受賞している。日本人の受賞は初めて。

 同研究所は受賞理由を「深い思考と広い見識に基づくジャーナリズムという水準を作った。日米両国を真に理解し、対話を促せる数少ない一人」としている。

 選考委員の一人、同研究所のダニエル・スナイダー副所長は「賞は、朝日新聞が政府の圧力に屈することなく、質の高い報道を目指して最前線で闘ってきたことをたたえるものでもある」とコメントを出した。(サンフランシスコ=宮地ゆう)

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 スタンフォード大アジア太平洋研究所副所長ダニエル・スナイダー氏の話 船橋洋一氏は日米の橋渡しを担ってきただけでなく、両国の読者に同時に語りかけることのできる数少ないジャーナリストの一人だ。その長年の功績をたたえたい。

 同時に、この賞は船橋氏が主筆を務めた朝日新聞に対して贈るものでもある。日本では、報道機関への様々な圧力が高まっている。こうした中で、朝日新聞が政府の圧力に屈することなく、質の高い、独立性のある報道を目指して最前線で闘っていることを高く評価したい。