「データを活用して我が社も儲けられないのか?」と上司から言われたとき、どこから考え始めればよいのだろうか。データ活用で売り上げ・利益を得るためのフレームワーク「DIVA(ディーバ)」を2回にわたり紹介する。
データを金に変えたいのはやまやまだが、データそのものは金ではない。データを金にするまでの過程は、「データ→情報→価値→効用」と表現できる。営利事業者であれば効用は金、すなわち売り上げ・利益だ。
この考え方をフレームワークにしたものが「DIVAフレームワーク」(以下、DIVA)だ(下図)。
DIVAは営業、販売促進、保守、開発といった各業務の担当者や新規事業立案担当者が、「どのようにデータを使い事業を高度化するか? 新規事業を起こすか?」という検討をスムーズに行えるようにすることを目的に筆者が作成した。
DIVAの一行目は成果物・アウトプットであり、データ活用プロセスにおける仕掛品を意味する。一行目の各要素をまたぐように、二行目の枠が記載されている。二行目は、アウトプットを得るための手法、すなわちソリューションだ。複数のアウトプットをまたいだ記載となっているのは、ソリューションにとってのインプットとアウトプットを表す。例えば「データ」をインプットとし、「解釈・分析」を加えることで「情報」が得られるという読み方になる。三行目は、それらの手法を支えるためのIT基盤だ。アウトプットとソリューションについて、図中の左から(1)~(4)の順に見ていこう。
(1) 世の中の「事象」から、「生成・収集」によって「データ」が得られる。
(2) 「データ」に対して「解釈・分析」すると、そのデータが特定の人にどのような意味を持つのかという「情報」が得られる。
(3) 「情報」に基づき「働きかけ」をすると「振る舞いの変化」が引き起こされる。この振る舞いの変化こそが、見える化止まりを超えて必要とされる価値である。
(4) 「振る舞いの変化」が金を払うに足るものであり、類似の働きかけよりも優れた変化をもたらすとき「効用」が得られる。営利事業ならば金である。
この各項が埋まると、「検討の対象に足る仮説」ができた状態になる。逆に埋まらなければ、データから金を導く流れが成立していないのだ。
DIVA一連の流れが成立している好例を見てみよう。米国のビッグベリー・ソーラーが開発した「ビッグベリー」というハイテクゴミ箱だ。