野口陽
2016年2月18日00時18分
北陸新幹線の大阪までの延伸について議論している自民党と公明党議員らのプロジェクトチーム(PT)が17日、会合を開いた。意見を聞かれた京都府と京都市は、福井県の敦賀から京都府舞鶴市付近を通るルートを提案した。これまでの会合で一通りの要望が出そろい、PTが検討するルートは5案に増えた。PTは5月までに調査対象にするルート案を絞り込む。国土交通省がその後、ルート案の建設費用などについての調査を行う予定だ。
京都府などが示したのは敦賀から福井県小浜市、舞鶴市付近を経由して京都駅につなぎ、さらに関西空港まで延ばすルート。京都府の日本海側地域の経済効果を期待したという。既存の4案はすべて新大阪駅に接続するが、新案は初めて通らないことも視野に入れた。
北陸新幹線では、敦賀から大阪までのルートがまだ決まっていない。これまで検討されてきた3ルートでは5100億~9500億円かかるとの試算があった。今年、新たに京都駅を通る2ルートが提案された。いずれも建設費を計算できていないが、大都市の京都―大阪間に新たに線路を引かなければならず、従来案よりはるかに費用が膨らみそうだ。費用は国や地元自治体が負担する。
PTがルートを絞り込んでも、着工には安定的な財源が必要なほか、収支の採算が合うことの確認などが必要で、見通しはまったく立っていない。(野口陽)
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朝日新聞社会部
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