タイヤ痕は「ブレーキ痕」 長野県警
乗客・乗員15人が死亡した長野県軽井沢町のスキーツアーバス転落事故で、現場手前の「碓氷(うすい)バイパス」に残る2カ所のバスのタイヤ痕について、県警軽井沢署捜査本部が「ブレーキ痕」とみていることが捜査関係者への取材で分かった。死亡した土屋広運転手(65)が少なくとも2度フットブレーキを踏んだが十分に減速できなかったことを示している。
事故が29日に発生から2週間を迎えた中、捜査本部は、運転手が大型バスに不慣れだったことが事故につながったとの見方を強めている。
捜査関係者によると、現場直前にある右車輪だけのタイヤ痕と、さらに約100メートル手前の車体との接触痕が残るガードレール付近にある左車輪のタイヤ痕を詳しく検証。どちらもタイヤパターンが読み取れるものの筋状にこすれるなどしており、フットブレーキを踏んだ際の摩擦で付いた痕跡と判断した。高速で車体の荷重が偏ったまま曲がる際にも同様の痕跡が付くとの指摘があるが、捜査関係者は「現場のカーブの角度では可能性は低い」とみている。
現場直近の右車輪のブレーキ痕の方が、約100メートル手前の左車輪のブレーキ痕よりも強くフットブレーキを踏み込んだ可能性があるという。一方、バスの運行記録計(タコグラフ)を詳細に調べたところ、現場に続く下り坂での最大時速は90キロ台前半だったことが判明したという。【川辺和将】