1年以上前に息子がいじめられていた話を記事にしたことがあります。
その記事は何かを訴えるために書いたのではなく、事例として書き残しておきたいと思い、何日もかけてやっと書いたものでした。書くのに何日もかかったのは、どのように書けば良いのか探っていたわけではなく、少し書き進めるだけでヒリヒリとした痛みが伴ったからです。特に理由のないいじめ行為にあった場合、私になにができただろう?この子にこれ以上の何ができたのであろう?疑問ばかりがたくさんぐるぐる回っているようでした。
同じようなことは様々な場所でおきており、それらはきっとどれも少しずつ違うケースで、当事者にしかわからないことってたくさんあるような気がします。
だから私は「この方法がいいよ」とか「こうしたらうまくいった」とかそんなこと一つも言わずにただ起きたことしか書けませんでした。
そのときにいくつかコメントを頂いて、そのコメントにひとつずつ答えていく際に、私の中の漠然としたものが少しカタチになったりしました。客観的意見はときに手を引っ張ってくれ、ひとときの安らぎをくれるのです。
数か月前、またその記事に対してコメントをもらいました。その方(Wさんとお呼びします)は娘さんがいじめられていることが発覚した直後に私のブログへ辿りついてくれたようでした。うちの息子とWさんの娘さんが共通していることと言えば、「周囲になびかず自分というものがある子」なのかも知れないと思いました。
Wさんは私にこちらの絵本を紹介して下さいました。
- 作者: ポール・フライシュマン,ケビン・ホークス,Paul Fleischman,Kevin Hauks,千葉茂樹
- 出版社/メーカー: あすなろ書房
- 発売日: 1999/07
- メディア: 大型本
- 購入: 2人 クリック: 22回
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学校の読み聞かせ等で読まれることが多い絵本のようでしたが、私は未読でした。
Wさんが私にこの絵本を薦めてくれた理由は、うちの息子がウエズレーのようだと思ったからだそうです。
この絵本のあらすじです。
仲間はずれにされていた少年ウエズレーが夏休みの自由研究に、自分だけの作物を育て、自分だけの服を作り、「遊び」を考えだし、「文字」までを発明して、「自分だけの文明」をつくりだす壮大な物語。
Wさんは私と息子が最初のエレベーター調査をしたあとに、コメントを下さったので「息子がウエズレーのようだ」と言って下さったのだと読んでみて思いました。
けれどウエズレーは息子よりもっともっと強い子のような気がしました。あそこまで確固たる自分を持ち続けることは並大抵の精神力ではない気はします(もしくはものすっごい鈍感説もありうるとか思ってしまったり)
ただ、ウエズレーの自由な発想と豊かな色彩の絵はものすごく魅力的で読んでみてとっても良かったなって思いました。
夏の暑さも風の動きも星の瞬きも感じられ、虫も動物も植物も躍動感あり、楽しくてグッときました。素敵な絵本です☆
こちらの絵本を教えて下さったWさん、ありがとうございました。
現在のうちの息子がどうかと言うと、いじめ調査や面談では事実を隠すことなく、そのままの気持ちを伝えているようです。相変わらず屈することのない性格でかえって笑ってしまえそうなくらいです。
Wさんの娘さんが大好きな本に囲まれながら、穏やかにすごせるようになってほしいと私はずっと願っています。
また、なにかありましたら…というより世間話でもいいのでコメント下さい。
私のブログのコメント欄はずっと開放していますから。
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こういう出会いがあるので私はブログを止められません。
「読んで下さった方がそこに存在している」と数字ではないところで感じられたとき、私は本当に嬉しいと思うのです。