第三回目は「電話対応のコツ」です。
入社してしばらくの間は、「電話番(電話の取次ぎ)」が主な仕事になると思います。
はじめのうちは、大変緊張するものですが、これは場数を踏んで慣れるしかありません。
*完全に携帯電話化されている会社では、取次ぎは発生しないかもしれませんが・・・。
電話対応の基本
準備
通話内容をメモするために、受話器は利き腕と反対の手で取ります。
ペンとメモはすぐに使えるようセットしておくとともに、電話機は利き腕の反対側においておきます。
また、「内線表」もすぐに見られるところにおいておきます。
電話を取るタイミング
電話がなったら、1コールで取る習慣をつけましょう。
また、最悪でも3コール以内で取るよう心がけます。
ただし、1コール以内だと早すぎて、相手を驚かせることになりかねませんので、ご注意を。
冒頭
電話を受けたときは、以下の文言が基本となります。
「(はい)、お電話ありがとうございます。○○会社でございます」
会社によっては、「はい、○○会社です」と短くてもよい場合もありますし、続けて「私、○○がお受けいたします」と名乗るようにしているところもあります。
午前10時くらいまでであれば、「おはようございます。○○会社です」と言うのも良いですね。
また、電話を取るのが3コール以上になってしまった場合は、冒頭に「お待たせ(いた)しました」というと、印象が良くなります。
なお、冒頭に「もしもし」は使いません。
相手が名乗ったら
相手が名乗ったら、以下の文言が基本となります。
「○○社の△△様でいらっしゃいますね。いつも大変お世話になっております」
ポイントは、相手の所属・名前の復唱と「お世話になっております」という文言。
なぜか、この「お世話」というのが慣例的に使われていますが、社内の場合は、「お疲れさまです」と言うのが一般的ですね。
声色
意識して、少し高めの声を出し、ハキハキと元気良く話します。
テンションが低めだと、相手に対して、いやいや電話を取ったという印象を与えかねません。
音程は「ドレミファソラシド」の「ソ」が適切と言われていますが、自分に合った高さでよいでしょう。
話し方
ゆっくり、言葉は少なめにし、敬語を使います。
できるだけ、復唱するよう心がけます。特に電話を切る前に、要件を要約して復唱すると連絡ミスは格段に減ります。
電話を切るとき
電話は、かけた方から切るのがマナーです。ただし、新人の間は先方が切るのを待って良いでしょうね。
「それでは、失礼いたします」で締めたあと、相手が切ったことを確認するか、3秒後をメドに静かに切るようにしましょう。
取次ぎ
電話の取次ぎで、担当者が在席している場合は、そのまま取り次げばよいのですが、不在の場合は、
「申し訳ございません。○○は、ただいま外出(席はずし、出張、・・・)しております。戻りましたら、こちらからお電話させていただきます」
等を答えます。
すると、相手は要望を言いますが、基本的には、以下の3つになりますので、それぞれに応じた対応をします。
対応
1 「こちらからかけ直す」
→ 帰社予定時刻よりも、少し遅めの時間を伝える
2 「折り返し電話をいただきたい」
→ 「念のため」と断った上で、相手の電話番号を聞き取る
3 「伝言をお願いしたい」
→ 5W1Hで聞き取りをメモし、復唱する
*いずれも電話を終える際に、必ず「私、○○が承りました」と名乗ります。
不在の伝え方
不在の伝え方として、「外出」と「席はずし」は上記のとおりですが、「出張」「休暇」は、その旨を伝えたうえで、出社予定日を伝えることとなります。
「会議中」では、相手によっては「緊急なので、取り次いでくれ」と言ってくる場合もあります。
その際は、連絡先を聞き取った上で、一旦、電話を切り、会議室までメモを持参することになります。
*会社によっては、「会議中の取次ぎはNG」のところがありますので確認してください。
「退社後」は、「本日は、退社いたしました」と答えるのですが、「退社=退職」と受け取られることもありますので、「本日はもう、失礼しました」と答えるか、「明日、出社しましたらお電話を差し上げるようにいたしますが」と続けたほうがよいでしょう。
「退職者あて」の場合は、退職した旨を伝えたうえで、「現在の担当者におつなぎいたしましょうか」と答えます。
退職理由や退職後の連絡先を聞かれても、答えてはいけません。
その他
間違い電話にも丁寧に
仕事として電話を取る以上、間違い電話であっても丁寧に対応します。
「当社は○○会社ですが、おかけ間違いではありませんか?」
さらに丁寧に対応するならば、当方の電話番号を述べて、間違いないか確認すると良いでしょう。
発音
これは、電話に限ったことではありませんが、ハッキリと発音することが望まれます。
私は、「サ行」の発音に弱みがあるので、ときどき、以下を声に出して練習しています。
さしすせそ、しすせそさ、すせそさし、せそさしす、そさしすせ
また、たまに以下の発音練習もやっています。ご参考まで。
- あえいうえおあお
- かけきくけこかこ
- させしすせそさそ
- たてちつてとたと
- なねにぬねのなの
- はへひふへほはほ
- まめみむめもまも
- やえいゆえよやよ
- られりるれろらろ
- わえいうえおわお
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電話対応では、何より落ち着いて対応することが大切ですね。
ただ、いつ、だれから、どんな電話がかかってくるかは分かりません。
そして、受けた電話が予期せぬものだった場合、受け答えに窮することがあるかもしれません。
次回は、そのような事例を紹介したいと思います。
それでは、また。