ワシントン=五十嵐大介
2016年2月17日20時00分
オバマ米大統領は16日、東南アジア諸国連合(ASEAN)10首脳との初の首脳会議後、ASEAN諸国の環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を後押しする姿勢を示した。非加盟国の関心も高まるなか、政権の「レガシー(遺産)」としたいTPPの拡大に意欲的だ。
オバマ氏は記者会見で「すべてのASEAN諸国がTPPの主要な要素を理解できるよう手助けする取り組みを始めた」とした。将来のTPP参加に向けた国内の改革も後押しする考えだ。
ASEAN10カ国のうちマレーシア、ベトナム、シンガポール、ブルネイはTPPに参加している。昨年10月のTPP合意後、インドネシアと韓国が参加の意向を表明。フィリピンや台湾、タイも関心を示すなど、「第2陣」をめざす動きが始まっている。
オバマ政権は、アジアなどで経済圏を広げる中国より先に、高い水準の経済ルールを拡大したい考えだ。今回の会議には、米通商代表部(USTR)のフロマン代表やプリツカー商務長官も参加し、TPPの売り込みを図った。
米国では11月の米大統領選の候補者選びが本格化しており、TPP発効に必要な議会承認は次期政権下になるとの見方も強まる。オバマ政権が早期発効に向けて指導力を示せるかが問われている。(ワシントン=五十嵐大介)
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朝日新聞国際報道部
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