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逮捕の老人ホーム元職員 事件当時 死亡男性の階担当
2月17日 18時38分

逮捕の老人ホーム元職員 事件当時 死亡男性の階担当
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川崎市の老人ホームでベランダから相次いで転落して死亡した入所者3人のうち、87歳の男性を投げ落としたとして逮捕された元職員の男は、月に5回ほど夜勤の勤務に就き、事件当時、死亡した男性の部屋の階を見回る担当だったことが分かりました。男は介護の仕事にストレスや不満があったという内容の供述をしているということで、警察が詳しい動機を調べています。
この事件で、警察は17日、殺人の疑いで逮捕した横浜市神奈川区の今井隼人容疑者(23)の自宅を捜索し、パソコンなどを押収しました。
今井容疑者は、おととし、川崎市幸区の有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」でベランダから相次いで転落して死亡した86歳から96歳の入所者3人のうち、最初に死亡した※うし澤民雄さん(87)を4階のベランダから投げ落としたとして殺人の疑いで逮捕されました。
施設の運営会社によりますと、今井容疑者はほかの職員と同じように、朝まで勤務する「夜勤」を月に5回ほど担当していました。夜勤は3人態勢で、事件が起きたとみられる時間帯は、今井容疑者が※うし澤さんの部屋があった4階を受け持って見回りなどをしていたことが、警察への取材で分かりました。
これまでの調べに対して、今井容疑者は、介護の仕事にストレスや不満があったという内容の供述をしているということで、警察は、事件のいきさつや詳しい動機を調べています。
(※「うし」は、「刃」の下に「一」)

夜勤は月平均5回程度 ストレスも

施設の運営会社によりますと、事件が起きた「Sアミーユ川崎幸町」では、朝までの勤務の「夜勤」が月に平均して5回ほどあったということです。夜勤は3人体制ですが、途中、交代で1人ずつ2時間の仮眠を取るため、実質2人体制で80床ある施設全体の入所者に対応していたということです。
事件が起きた施設に勤めていた元職員の男性によりますと、夜勤の時間帯にはナースコールが1分おきに鳴るときがあり、入所者の家族からの苦情もあったということで、男性は「ストレスを感じる現場だった」と話していました。
また、系列の施設で責任者を務めていた男性によりますと、系列全体で施設の数が急速に増えたため、1度に数十人単位で職員を採用することも多かったということです。
このため、経験のない人が現場で働くことが少なくなかったということです。
逮捕された今井容疑者も専門学校を卒業して、介護の経験はありませんでした。
この元責任者は「教育が追いつかず、施設の質が下がっていくのを強く感じた。慢性的な人手不足で、介護の現場に向いていないような人でも採用しなくてはならなかった」と話していました。
元職員の逮捕を受けて、施設の運営会社の岩本隆博社長は「職員のストレスへの対策がもっとできていればと反省している」と話していました。

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