コール市場が急縮小、取引残高は過去最低-10年ぶりマイナス取引 (1)
2016/02/17 17:35 JST
(ブルームバーグ):金融機関同士が短期の資金を融通し合うコール市場の残高が過去最低水準まで急減している。日本銀行によるマイナス金利政策の導入に伴う負担増などを受けて、資金の調達側と運用側が共に取引を控えているためだ。
金融機関の取引を仲介する短資会社が加盟している短資協会によると、16日時点のコール市場の取引残高は前日比11兆9909億円減の4兆5360億円と、1988年11月のデータ公表以来で最低を記録した。無担保コール取引残高は同5兆1700億円減の2兆7784億円と2012年8月24日以来の低水準に達したほか、有担保コール取引残高は同6兆8209億円減の1兆7576億円と過去最低となっている。
日銀が公表するコール市場残高(16年1月)によると、有担保コール取引は資金の出し手の末残合計14兆1489億円億円に対して、取り手の合計が4兆8372億円で、この差額のほとんどが短資会社による資金の受け入れとみられている。
セントラル短資総合企画部の佐藤健司係長は、「担保が確保できなくなり取引をあきらめざるを得ない状況だ」と指摘。17日の市場については、無担保コール市場も含めて「さらに取引が落ち込んでいる感じだ」と言い、無担保コール翌日物については「マイナス金利での取引が成立した」と述べた。無担保コール翌日物がマイナス金利で取引されたのは06年2月以来。
日銀が午後5時すぎに公表した17日の無担保コール翌日物の加重平均金利(速報値)はマイナス0.002%と、04年11月8日(マイナス0.003%)以来のマイナス水準を記録した。この日の最高取引金利は0.001%、最低取引金利はマイナス0.050%だった。
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更新日時: 2016/02/17 17:35 JST