【社説】韓国は核の傘ばかりに頼ってはいられない

 北朝鮮は7日、長距離弾道ミサイル「光明星4号」の発射に成功した。北朝鮮は「人工衛星の打ち上げ」などと表向きは説明しているが、技術面あるいは内容面の双方から考えると、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験であることは誰の目にも明白だ。国連安全保障理事会は8日に議長声明を発表し、その中で「今回の発射は明らかに核兵器運搬システムを開発するための弾道ミサイル技術を使ったものだ」との見方を示した。

 北朝鮮は先月4回目の核実験を強行し、さらに今回長距離弾道ミサイルの発射を行ったが、これに対する国際社会の対応はこれまでと何ら変わるところがない。国連と米国、日本は北朝鮮に対して追加の制裁を行うとしているが、中国が「北朝鮮の住民生活に影響を及ぼすような制裁は難しい」などとして制裁に難色を示していることから、今回も北朝鮮を実質的に締め上げるのは難しいだろう。韓米両国が正式協議を表明した最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」も、現在の状況を根本から改善するような対応策ではない。

 国際社会は北朝鮮の長距離ミサイル発射が成功したことについて、北朝鮮が核保有国となる最後の段階に入ったことを意味するものとして明確に認識しなければならない。北朝鮮は2012年にも「銀河3号」の発射に成功し、さらに今回立て続けに長距離ミサイルの発射実験に成功することで、ICBM技術を安定して運用できる能力を国際社会に誇示した。また今回はこれまでと比べて弾頭の重量や射程距離も伸びた。小型核弾頭の重量とされる500キログラムの物体を搭載したときの射程距離は、従来よりも2000キロ長い1万2000キロに達している。これは米国本土を攻撃できる距離だ。

前のページ 1 | 2 | 3 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース